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なぜ日本でも急成長?英国発・マイプロテインに学ぶ「ローカライズ&ライト層獲得」の戦略

リブランディングでターゲット層を拡張

MZ:マイプロテインは、2024年4月に発売20周年を迎え、リブランディングを実施しました。リブランディングの概要と、その狙いについて教えてください。

ニール:今回のリブランディングは、コロナ禍によって引き起こされたお客様のニーズや食生活の変化に合わせてグローバル規模で行ったものです。

 詳しく説明すると、SNSの普及により入手できる情報が劇的に増加したことで、誰でも簡単に「健康的な生活スタイル」について知れるようになりました。その結果、いわゆる“トレーニングガチ勢”ではない人でもPFC(タンパク質、脂質、炭水化物)バランスなどといった健康的な生活を意識するようになっています。

 こういった変化を受けて、リブランディング後のパッケージでは、ウェルネスに関心があるといったライトな層でも手に取りやすいように刷新しました。また、リブランディングにともない商品開発の方向性も変化。従来のプロテインや必須アミノ酸のような「パフォーマンス改善型」のサプリから、睡眠や腸内環境を整えるなどの「ウェルネスサポート型」の商品へとラインアップを拡充させています。

マイプロテインのパッケージの変化

MZ:リブランディングにともない、日本ではどのようにプロモーション戦略を変えてきましたか。

鈴木:日本でもグローバル同様で、ライトユーザーへのアプローチに注力しています。具体的には、近年、ドン・キホーテやコストコ、ファミリーマートなどのリアル店舗で、プロテインバーやフタ付きのドリンクタイプの商品を提供。オフラインでの顧客接点を創出しています。リテールで商品を出せるようになったことで、わざわざWebサイトにまで商品を買いに来ない層に対してのアプローチが可能になりました。

 特にマイプロテインのプロテインバーは、女性のお客様に以前よりも気軽に手に取っていただけており、ライトユーザーからの認知獲得に一役買っています

多くの人から憧れられるブランドを目指す

MZ:マイプロテインの今後の展望について教えてください。

ニール:マイプロテインは、ECやリアル店舗での接点のほかに、SNSのフォロワー数もトータルで130万人以上がおり、様々なチャネルで顧客とタッチポイントを持つことができています。

 今後の目標はこの接点を活かしながら、マイプロテインというブランドに情緒的な価値を感じてもらえるようになること。つまり、「スポーツ栄養サプリ業界におけるナイキ」のような“憧れのブランド”になりたいと考えています。

 そのために、より健康的でアクティブな生活を送るための「ムーブメント」をマイプロテイン起点で活発化させていきたいです。

鈴木:現在の日本市場におけるマイプロテインユーザー属性を見ると、英国をはじめ欧州各国と比較してはるかにトレーニー層が多いという特徴があります。そのため、今後はライト層の割合を増やしてユーザー層の割合を欧州と同様のものにより近づけていくことを当面の目標として掲げています。

 当社には、ビタミン剤やスポーツウェア、高タンパク質のスナック菓子など様々な商品ラインアップがあります。これらの商品の認知を獲得することが日本市場でユーザー数を拡大していく上でのカギです。そのために、普段からジムで欠かさず身体づくりに励む「トレーニー」やアスリートに加えて、「部活動に励む高校生」や、「健康意識の高い女性」など、ターゲット層を拡大し、それぞれに認知してもらえるように適切なチャネルで適切なマーケティング施策を行っていこうと考えています。

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この記事の著者

三ツ石 健太郎(ミツイシ ケンタロウ)

早稲田大学政治経済学部を2000年に卒業。印刷会社の営業、世界一周の放浪、編集プロダクション勤務などを経て、2015年よりフリーランスのライターに。マーケティング・広告・宣伝・販促の専門誌を中心に数多くの執筆をおこなう。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/10/25 09:00 https://markezine.jp/article/detail/47040

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