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Omniture Summit 2010総力レポート

“マーケティングは永遠に変わってしまった”
楽天の最適化担当者がOmniture Summitで感じたこと

 Omniture Summit 2010が終わって3週間近くが過ぎた。基調講演や発表内容については既に多くのメディアで伝えられており、Twitter上でも未だに「#omtrsummit」のハッシュタグで発言が続いている。今回は、実際に楽天においてアクセス解析と最適化を推進している現場の立場と視点で、最新事情を見聞し、海外のマーケターたちと触れ合ったり、セッションでの反応を見て感じたこと、垣間見えた海外と日本の違いやオンラインマーケティングの将来像などについて紹介したい。【関連記事一覧】

マーケティングは永遠に変わってしまった

 家族がテレビの前に座ってCMを見ている。若者が雑誌の広告を憧憬の眼差しで見つめる。飛行機の中では大勢が同じスクリーンで同じ番組を見ている。

 “TVや広告が一方的だった時代を覚えていますか?”

 1週間経って冷静に振り返ると、最も印象的だったのは2日目のランチで、スポンサーのResponsysが放映した数分間の映像だった。これらはノスタルジックに演出されていたが、つい最近まで、いや、今でもまだ残っている現実の光景だ。

 ネットはインタラクティブになり、ソーシャル化が進んだ。Twitter、Facebook、mixi、Googleなどの勢力図は変わるかもしれないが、企業やコミュニティと会話することを覚えた人類は、もはや閉じこもっていた昔の状態には戻れない。

 “マーケティングは永遠に変わってしまった。”

 そうだった。Webが進化しただけでなく、マーケティング自体が、企業と顧客の関係が大きく変わりつつあるのだ。

マーケティングはデータドリブンである

 これは、初日のジョン・バッテル氏による基調講演の内容ともリンクする。企業と顧客が直接会話する時代において、マーケティングに求められるのは、「Scale + Safety + Quality」に加えて、「Engagement + Measurement」だという。

 確かに、新時代のマーケティングでは会話や対話、関わり(Engagement)が重要で、オンラインメディアだからこそ、計測・解析することによって数値に基づくマーケティングや経営判断が可能になる。

 現場にいると、ついSEO効果やコンバージョン率のことばかり考えてしまいがちだが、100年後に2010年を振り返るような視点も必要なのだろう。帰国後に現実と向き合う中で、この変化への実感がじわじわと強まってきた。

 だからこそ、「次の10年はCMOの時代になる」(ジャシュ・ジェームス氏)というわけだ。

日本との違い~Facebookとモバイル~

 初日に発表があるということで楽しみにしていたビッグニュースは、オムニチュア製品とFacebookとの連携だった。日本ではあまり普及していないので関係ないと思ったが、どうもこの温度感は大きく違うようだ。

 米国での反響は大きく、未だにTwitterでもRTが流れている。会場にいた何人かの海外マーケターに聞いてみたところ、「Facebook内でページやアプリケーションを公開しているが、解析に制約があるので困っていた」と言う。SEMと同じように集客の手段として取り組みが進んでいるようだ。

Facebookの利用分布を示した地図。欧米では特に活発に利用されている
Facebookの利用分布を示した地図。欧米では特に活発に利用されている
月のFacebook平均利用時間。GoogleやYahoo!を大幅に上回る
月のFacebook平均利用時間。GoogleやYahoo!を大幅に上回る

 「しばらく招待メールを無視していたが、始めてみたら古い友人とたくさん繋がった、もう止められない」と言う人も。「ある若者はマンホールに落ちた時、電話をかける代わりにFacebookのステータスを更新して救助された」というエピソードも、Facebookバイスプレジデントであるダン・ローズ氏によって紹介された。

 「Twitterって日本的だよね」という意見も耳にした。その意図は分かりかねたが、Facebookが普及しているのは確かなようだ。日本では関係ないと静観しているわけにはいかない。その日のうちにホテルで利用を開始した。

 逆に、モバイルに関しては日本の方が取り組みが進んでいる。大手企業でも、「モバイルのアクセスに関しては、現状、把握すらできていないが、数がまだ少ないので放置している」と言う。「日本はこうだよ」とアピールすべき場面だったのだが、残念ながら筆者はモバイルには疎いので発言できなかった。モバイル先進国で暮らしているのだから、体験して詳しくなっておかないと損だと感じた。

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この記事の著者

清水 誠(シミズ マコト)

Webアナリスト/改善リーダー。1995~2004年まで凸版印刷・Scient・RazorfishにてWebコンサルティングやIA・UI設計に従事した後、事業会社側へ転身。UX/IAやデジタルマーケティングの導入による社内プロセス改善の推進と事例化を行っている。ウェブクルーでは開発・運用プロセスを改善し上場を支援、日本アムウェイでは印刷物のデジタルワークフローとCMS・PI...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2010/03/30 11:00 https://markezine.jp/article/detail/9983

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