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カギは企業のクリエイター化――ショート動画時代を、企業が生き抜くための戦略とは?【お薦めの書籍】


 生活者個人が「クリエイター」として強い影響力を持つようになった現代において、企業はどのような戦略を取るべきなのでしょうか? 本記事では、1億総クリエイター時代に企業が成長していくための動画マーケティングについて解説した、ONE MEDIA 明石ガクト氏の書籍を紹介します。

企業にとって「真の競合はクリエイター」?

 今回紹介する書籍は『動画大全「SNSの熱狂がビジネスの成果を生む」ショート動画時代のマーケティング100の鉄則』(SBクリエイティブ)。著者はこれまで1,000人以上のクリエイターとともに、SNSプラットフォーム向けのコンテンツをプロデュースしているONE MEDIAの明石ガクト氏です。

『動画大全「SNSの熱狂がビジネスの成果を生む」ショート動画時代のマーケティング100の鉄則』明石ガクト(著)SBクリエイティブ 1,980円(税込)
『動画大全「SNSの熱狂がビジネスの成果を生む」ショート動画時代のマーケティング100の鉄則』明石ガクト(著)SBクリエイティブ 1,980円(税込)

 近年、クリエイターとして影響力を持つ生活者が増えてきました。その流れとともに「クリエイターエコノミー」と呼ばれる経済圏が形成されてきています。

 この状況に明石氏は、「企業やビジネスパーソンにとって真の競合はクリエイター」だと述べました。実際にクリエイター個人のプロデュースブランドが、大企業の製品の月次売り上げを1日で抜き去る事例もあります。こうした中、企業はどのようなマーケティング戦略を取るべきなのでしょうか?

リーチに代わる新たな指標「アテンション」

 明石氏は、SNSが生活の一部になった今、「リーチ」は指標として意味をなさないと指摘。代わりに「アテンション」をいかに引き出すかが重要であり、「企業の成長戦略は、アテンションとSNS、それぞれの力の掛け合わせによって最大化できる」と示しています。アテンションとは、ユーザーがコンテンツに対して注目することや「いいね」などのリアクションを取ることを指します。

 同書の冒頭で明石氏は、これからの時代は「動画」が支配する世界になると分析。より多くの人に伝わるビジュアルコミュニケーションである動画こそが、現代のアテンションを生み出す種となるコンテンツだと主張しています。加えて動画がアテンションを獲得する条件について、以下のように解説しました。

 ユーザーがアテンションを向けるのは動画単体ではなく、その動画群を生み出しているクリエイターの存在であり、「クリエイター自身のキャラクターが際立っていること」が不可欠の条件となっている。

 実際に企業が投稿する動画を見ていくと、クリエイターのコンテンツ力や影響力を活かし、TikTokやYouTubeでコラボレーションした動画も少なくありません。その一方で単発の企画に終始したり、企業の発したいメッセージが正しくユーザー側に伝わらなかったりと、課題を抱える企業も存在します。

 明石氏は、ゆくゆくは企業やビジネスパーソンも「クリエイター化」していくと予想しています。しかし一朝一夕で企業がクリエイターになれるわけではありません。こうした状況を企業はどのように解決し、企業やビジネスパーソンのクリエイター化を進めればいいのでしょうか。まずアテンションを持つクリエイター自身の力を借りる戦略をとることを、明石氏は同書の中で提案しました。

企業がクリエイターのような影響力を持つには?

 また企業がクリエイターの力を借りる方法として、明石氏は以下3つの段階に分けて説明しました。

1.クリエイターが主語になり、企業メッセージの発信をする
2.クリエイターのサポートを借りつつ、企業が主語になって発信する
3.企業の中にいる人たち自身が、クリエイターになって発信していく

 1段階目では、クリエイター自身から商品やサービスについて発信してもらいます。この時、企業は対等にクリエイターとコラボレーションするスタンスを持つことと、クリエイターの文脈を理解しPRの提案をすることが重要だと同書で説明しました。

 次の2段階目では、クリエイターに手伝ってもらいながら企業がコンテンツを制作・発信。プラットフォームのトンマナを理解しているクリエイターが「クリエイティブディレクター」として協働することで、アテンションを集めることが可能になるといいます。

 2段階目を経ることで社内の人材がやり方を理解しクリエイター化していった状態が、最後の3段階目にあたります。今後はいち早くクリエイター化した企業がそうでない企業に対し、コミュニケーション面で差をつけていくだろうと明石氏は予測しました。

 本書では、他にもクリエイターのコミュニケーション戦略やユーザーをひきつける動画の作り方、AI時代のクリエイターの在り方などを解説した一冊となっています。自社のコミュニケーション戦略を見直したい方、顧客の心に届く動画コンテンツを発信したい方はぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。

本記事はSBクリエイティブからの献本に基づいて記事作成しております

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この記事の著者

吉永 翠(編集部)(ヨシナガ ミドリ)

大学院卒業後、新卒で翔泳社に入社しMarkeZine編集部に所属。学生時代はスポーツマーケティングの研究をしていました。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2023/09/26 20:23 https://markezine.jp/article/detail/42013

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