製薬会社のファイザーは、インターネットユーザーを対象にした医薬品の医療機関以外からの入手状況に関する調査結果を8月2日に発表した。調査対象は、調査会社インターワイアードのインターネット調査に登録している20歳以上の男女で、回収数は9,806名(男性4,795名、女性5,011名)。
今回の調査では、医薬品を医師の処方を受けずにインターネットや友人、知人からも入手している実態が明らかになった。インターネットをはじめ、医療機関以外から医薬品を過去5年間で入手した経験があるのは、15.4%(9,806名中1,508名)で、性別、年齢を問わず幅広く存在しているという。そのうち、最近1年以内に初めて入手した人は3.3%で、入手した医薬品は、「解熱鎮痛薬」、「抗生物質」、「アレルギー関係の薬剤」が多い。
医療機関を受診せずに医薬品を入手する主な理由は「手軽に購入できるから」75.0%(1,508名中1,131名)、「製品が信用できるから」61.6%(同929名)などとなっており、医療機関以外から医薬品を入手すると偽造医薬品を手にする危険性を認知しているのは37.3%(9,806名中3,659名)。さらに、偽造医薬品の危険性を認知していても、入手している回答者は17.2%(3,659名中629名)と少なくない。
こうして入手した医薬品で副作用の症状を経験した比率が多かったのは、「がん関係の薬剤」38.1%(21名中8名)と「うつ関係の薬剤」27.1%(133名中36名)。また、約6割(241名中142名)の回答者は「副作用が出たが医療機関に行かなかった」と回答している。
現在、日本を含む世界各地でバイアグラなどのED治療薬をはじめ、抗うつ薬、生活習慣病、抗がん剤といった様々な種類の偽造医薬品が確認されており、医薬品に関する知識がない場合には、不適切な使用による健康被害のリスクを自己責任で負う必要がある。また、個人情報の流出リスクや不良品・詐欺の問題なども考えられることから、ファイザーは十分な注意が必要だとしている。
プレスリリース:「医薬品の入手状況調査 インターネット利用者の約15%がインターネット等から医薬品を入手 偽造医薬品による健康被害が懸念」