第三者機関の動きに期待
2008年に入って、未成年者が犯罪サイトや自殺サイトなどにアクセスすることのないようフィルタリングを行うサービスを携帯電話事業者各社がスタートしたことによって、携帯サイト「モバゲータウン」の主要なユーザー層のひとつである10代のユーザーが閲覧できなくなる事態が発生。DeNA代表取締役の南場智子氏はさまざまな場を通して、青少年が犯罪などに巻き込まれたり、出会い系サイトとして利用されることのないよう、監視体制を整えていることをアピールしてきた。
この問題については、業界やユーザーを含めた議論が起こり、4月8日には健全な管理体制基準の策定と、サイトの認定および運用監視などを実施する第三者機関として「モバイルコンテンツ審査・運用監視機構(EMA)」が設立。有害サイトと健全なサイトを見極め、後者がフィルタリングの対象にならないような基準を業界全体でつくっていく構想を打ち出している。
DeNAも設立発起人の一員として参加している同機構では、基準策定委員会において5月末に基準案の承認を行い、審査・運用監視委員会においてサイトの審査・認定作業が行われる予定となっている。DeNAは今回発表されたコメントの中で、フィルタリングサービス利用時においてもユーザーがアクセス可能な状態を達成することを目指すとして、同機構における認定を得られるよう取り組みを継続する姿勢を示している。
モバゲータウン自身も「若者向けサイト」から脱却
4月10日に発表されたモバゲータウンの会員数1000万人突破のプレスリリースでは、2007年5月時点で53%だった10代ユーザーが2008年4月には43%となっており、20代・30代のユーザーが増えているというデータが示されている。また、4月には大人向けカジノゲームの提供を開始するなど、モバゲータウン自身もより幅広い年齢層をターゲットするよう変化している。
DeNAは、第三者機関の動きを携帯フィルタリング問題の早期打開への糸口として期待するとともに、幅広い年齢層のユーザーを獲得することによって、リスクを低減する道を模索している。
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