五輪ネタさまざまあれど
五輪年の今年、五輪絡みの話題は多い。柔道では野村や井上が、選考に漏れるし(東原 亜希が「下げマン」という噂が出ないのは、井上の人徳だろう)、浅尾 美和 はやはり本選には無理だろうな、とか。まあ、話題は数々あれど、だ。筆者が個人的に一番興味を持って注目していたのは、競泳である。それも北島 康介が世界新を出すか、ではなく、例の魔法の水着を巡るビジネスの話。
スピード社の水着「レーザー・レーサー」が、今季多くの世界新記録を出していることは、随分前から話題にはなっていた。FINA(世界水泳連盟)の一部では、これも一種のドーピングの対象にすべきでは?などという滅茶苦茶な意見をいう理事も出たらしい。ゴルフでも飛びすぎるボールや、反発力のありすぎるフェースのドライバーなんかは、公式戦での使用は禁止されている。これと同じだ。
OK出さざるを得ない 「魔法の水着」すごすぎる性能
今回の北京に関しては、すでに公式ウェアとして認知されているので、今回は規制の対象にはならない。が、北京五輪の大会後には、水着の性能について真剣な討議がなされるだろう。今回の「OK」は、FINAの認可がウェアの機能アップに対応できなかっただけだ、という指摘には説得力がある。こういう対応が実際に行われるほど、「レーザー・レーサー」の機能がすごいということだろう。
なにしろ、北京五輪に向け東京都内で合宿中の競泳日本代表が、これを試着したところ、軒並み通常のタイムを上回った世界記録を連発(!)したそうだ。報道によれば、北島を指導する平井コーチの証言として、「自由形、平泳ぎ、背泳ぎ、バタフライの各種目で、スタート後の15~25メートルのタイムを計測したら、練習にもかかわらず、レース本番並みの好タイムが男女の別なく続出した」とのこと。
また、初体験の選手からはスタートの蹴伸びで「足が沈まない」「スタートの15メートルで通常と0.5秒も違う選手が出たし、100メートルで0.5秒、200メートルで1秒上がるイメージ。これまでの水着とは、まったくの別物ですね」との評価だ。