世界的なオンライン百科事典プロジェクトWikipediaは、参照先として多くのユーザーが利用する人気サイトだ。ここに登録されている膨大な記事には、記事の内容を補完するために外部リンクが多く使われているが、これがSEO対策の標的となっているとして、Wikipediaが対策に乗り出した。
具体的な措置は、たとえばWikipediaの「マーケティング」という項目の記事内にMarkeZineへの外部リンクがある場合、そのタグに「rel="nofollow"」という記述を追加するというもの。この属性が加えられた外部リンクは、グーグルなどの検索エンジンの調査対象から除外されるため、誰でも自由に投稿できるWikipediaを利用してリンク数を増やし、検索ランキングを上げようとする試みを封じることができる。
英語版Wikipediaの関係者用メーリングリストでは、「検索エンジン最適化の世界チャンピオンを決めるコンテストがWikipediaをターゲットとしているという噂があるため、Wikipediaの創始者であるジミー・ウェールズが、nofollowを導入するよう求めた」というメールが1月20日に流れた。
nofollow属性は、米グーグルがコメントスパム防止策として2005年に導入を提唱したもので、この属性を含むリンクは信用に値しないものとして、グーグルの検索結果に反映しないことを発表。この動きには、シックス・アパート、Flickr、MSN Spaces(現在のWindows Live Spaces)などが賛同している。
参考サイト:
"Wikipedia Nofollows Links" (Google Blogoscoped)
"Nofollow back on URL links on en.wikipedia.org articles for now" ([WikiEN-l])
"Preventing comment spam" (Google Blog)