講談社が、女性誌『FRaU(フラウ)』の読者を対象とした女性限定ソーシャルネットワークサービス、「わたし、フラウ.com」を500名限定で4月3日にプレオープンした。『FRaU』は自分らしいスタイルを求めている女性をターゲットにした雑誌だ。同じ興味を持つ人がつながり、お互いを磨き、より自分らしい美しさを身につけられる場所を目指し、雑誌と連動してサイトが開設された。講談社によると「参加募集には、すでに多数のご応募をいただいています」とのことだ。
月に一度じっくり読むことができる雑誌と、毎日気軽に見ることができるSNSの利点を組み合わせにより、本誌の特集について読者同士で意見や感想、そして読者しかもっていない情報のやり取りを楽しめる場所が提供される。今後は、オフィシャル・コミュニティ機能展開などにより企業PRの場を提供するとともに、『FRaU』ならではの20代から30代の活発な女性読者層の声を企業が直接聞くことができる仕組みを提供し、本誌に続く、新たな媒体としての展開を目指すという。会員も、本誌で募集を行いながら増やしていき、9月には招待機能をリリース、グランドオープンを予定している。
出版社大手がSNSサイトを開設し、ネット事業に進出した背景には、ここ10年間続いている、出版業界全体の出版販売額減少の事実が少なからず関係していそうだ。電通が2月に発表した「2006年(平成18年)日本の広告費」によると、2006年のインターネット広告費は3,630億円で雑誌の3,887億円に肉薄。2007年中に逆転すると見られている。状況を考えると、出版社が販促手段のひとつとはいえ、ネット事業に進出することは決して驚くべきことではなく、小学館・集英社など他の大手出版社の動きにも注目が集まる。