通勤ではPASMO(パスモ)やSuica(スイカ)が磁気定期券に取って代わり、会社のオフィスに入室する際にはICカードである社員証・入館証をかざす。コンビニでの買い物や自宅の鍵などにも利用され、私たちの生活に欠かせない存在になりつつある非接触ICカード。矢野経済研究所では、国内の非接触ICカード・RF-ID(無線ICタグ)市場を対象に2006年12月~2007年3月に市場調査を実施した。この調査によると、国内の非接触ICカード・RF-ID(無線ICタグ)市場の総市場規模は、数量ベースで02年度に2,395万枚だったのが、06年度見込は5,600万枚に増加。さらに07年度予測は8,400万枚、2010年度には18億8,400万枚まで急増すると推計した。
非接触ICカード市場では、交通分野や行政分野(住民基本台帳、運転免許証、パスポート等)、ID分野(社員証など)など7分野に、また、RF-ID(無線ICタグ)市場では、製造分野や物流分野(宅配便、航空タグ、SCM、トレーサビリティ等)、流通分野等6分野に渡り、両市場合計で13分野にマーケットを分類・整理、それぞれのアプリケーションに対して2010年度までの市場規模推移を予測した。
総市場における非接触ICカードの06年度見込需要分野別構成比としては、数量ベースで、
流通分野(電子マネー、プリペイドカード、ポイントカードなど)8.9%
アミューズメント分野 9.1%
交通・運輸分野 12.5%
ID分野 9.8%
行政分野 0.7%
その他分野 1.8%
と算出された。交通・運輸分野が12.5%でトップ。PASMO(パスモ)やSuica(スイカ)の利用拡大が寄与しているようだ。一方、RF-ID(無線ICタグ)の同構成比は、数量ベースで、
製造分野(FA関連) 12.5%
流通分野(小売関連等) 8.9%
物流分野(輸送・倉庫関連) 15.2%
アミューズメント関連分野(タグ) 4.5%
レンタル・リース関連分野 1.8%
その他分野(タグ) 14.3%
と算出されている。