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縦長いページデザインは是か否か?
楽天におけるスクロール量計測導入の裏側

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2010/06/24 11:00

 楽天のWeb解析・最適化推進リーダーが、日々どのようにサイトの課題発見、新技術の検証、サイト改善の施策立案、全社導入に向けた仕組み化に取り組んでいるかを、現場視点でリアルに書き綴る「アクセス解析実践日誌」。第1回目となる今回は、“スクロール量計測”を導入し、検証した際の経緯と分析結果を詳細に報告する。(バックナンバーはこちら)

【課題ときっかけ】スクロール量は購買行動に影響があるのか?

 アクセス解析は、広告効果やSEOなど、マーケティングや集客の視点で行われ、語られることが多いが、モノ作りをするクリエイターや開発者にとっても、役に立つはずだ。

【図1】アクセス解析はマーケターだけのものではない
【図1】アクセス解析はマーケターだけのものではない

 作ったモノのビジネスゴール達成への貢献度を明確にすることができれば、クリエイターや開発者はもっと世の中から高く評価されるようになるかもしれない。モノ作りを惰性で続けていると、モノを上手に効率よく作ることはうまくなるが、ビジネスゴールを達成できるモノ作りのコツが属人的になってしまい、業界全体として伸び悩むのではないか?

 そんなことを考えていた頃、3月頭に米国で参加したOmniture Summit 2010のセッションでスクロール計測の手法が発表され、数日後には公式ブログでも詳しく方法が紹介された。ページごとにスクロールしてどこまで表示させたかを、カスタム変数で計測できるという。

【図2】ページをどこまで表示させたかを、カスタム変数で計測
【図2】ページをどこまで表示させたかを、カスタム変数で計測

 計測方法が中心で、具体的な活用方法についてはあまり紹介されなかったが、「これは面白そうだ。うまく活用すれば役に立つに違いない」と感じた。楽天グループ全事業のアクセス解析担当から寄せられる相談に迅速に対応できるよう、この解析手法を身につけておこう。

 練習のため、まずは終了したイベント告知サイトに導入してみることにした。最初は紹介されたとおりに導入してみた。実装は簡単だったが、結果から意味を読み取ることが難しい。

【図3】得られた結果は生データでしかない
【図3】得られた結果は生データでしかない

 目的も無く導入すると、「なるほど」「面白い」で終わってしまう。課題ありきのリアルな事例の中で本気で取り組まないと、解析のソリューションとして身に付かないのだろう。分かったことをドキュメントに軽くまとめ、ソリューションの1つとして引き出しにストックしておいた。少なくともスムーズに実装と導入ができる状態にはなった。

 ちょうど数日後、ユーザビリティの伝道士であるヤコブ・ニールセン氏のブログ「Alertbox」で、スクロールと視線に関する記事「Scrolling and Attention」が公開された。アイトラッキングデータをもとにした調査の結果、Webページは以前よりもスクロールされるようになったものの、ファーストビューに依然として80%もの視線が集まっているという。ということは逆に、20%の視線が集まるページ下部のエリアを手軽かつ正当に評価できれば、サイト全体で膨大なエリアを有効活用できるようになる。絶対数が足りないなら、クリエイティブや掲載期間、掲載ページ数で調節すれば良いのではないか? 効果を定点観測できれば、最適化が可能になる。

【図4】ページの長さと視線の滞留時間の関係
(※ヤコブ・ニールセン氏ブログ記事の図版をもとに編集部で作成)
【図4】ページの長さと視線の滞留時間の関係(※ヤコブ・ニールセン氏ブログ記事より、編集部で作成)

 また、何日か経ったある日、楽天の長いページについて、はてなブックマークやTwitterで話題になった。“ハデな画像が多くて長いページデザイン手法『楽天メソッド』は是か否か?”という論点だ。デザインとしてあり得ないという反対派と、実際に売れているなら1つの進化系だという肯定派。主観的に議論しても意味がないのでコメントは控えつつ、「実際にどれくらいスクロールされているのか」「閲覧や購買行動への影響はあるのか」を客観的に解析・テストしてみたいと思うようになった。


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著者プロフィール

  • 清水 誠(シミズ マコト)

    Webアナリスト/改善リーダー。 1995~2004年まで凸版印刷・Scient・RazorfishにてWebコンサルティングやIA・UI設計に従事した後、事業会社側へ転身。UX/IAやデジタルマーケティングの導入による社内プロセス改善の推進と事例化を行っている。ウェブクルーでは開発・運用プロセスを改善し上場を支援、日本アムウェイでは印刷物のデジタルワークフローとCMS・...

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