新バージョンへの移行がいよいよ必須に
11月1日に、米国のGoogle アナリティクス公式ブログでひっそりと、今までのGoogle アナリティクスの古いバージョンが2012年1月から終了するというアナウンスがされました。というわけで、新しいバージョンへの移行がいよいよ必要となりそうです。
そこで今回から数回に分けて、Google アナリティクスでしか利用できない機能を紹介します。最初に紹介するのは「マルチチャネル」機能です。新しいGoogle アナリティクスの目玉機能と言っても良いでしょう。2回に分けてその機能や活用方法を紹介します。
「マルチチャネル」とは?
マルチチャネルの機能を一言で説明すると「成果に繋がったユーザー単位の流入構造を見ることができるレポート群」となります。
少し分かりにくいので、機能説明に入る前に考え方を説明します。今まで、Google アナリティクスでは、成果に繋がった流入元を確認することができました。例えば、リスティングで流入し資料請求をしたユーザーの行動は把握できます。
しかし、以下のように「ユーザー」単位での訪問を見ると、確かに成果に繋がったのは「リスティング」なのですが、「リスティング」の前に「バナー」と「メルマガ」を経由してサイトを訪問していたとしましょう。
今までは、「リスティングだけが成果に貢献していた」という点しか分かりませんでした。しかし、サイトへ初めて連れてきたバナーやメルマガも成果に何かしらの貢献をしたと言えます。
このように、成果にたどり着いたユーザーの過去の流入経路が見えるようになったという点が、「マルチチャネル」の最大の特徴です。これにより、直前の成果だけではなくその手間の成果も把握することで、流入元の再評価を行い、集客のコスト削減とコンバージョン率の向上を実現することも可能になります。
では、ここからもう少し詳しく説明していきましょう。以下は、3種類のリスティングキーワードの成果への貢献数です。こちらは、今までの成果に直接貢献した流入元でみています。
流入元 | 直接成果数 |
---|---|
キーワードA | 40 |
キーワードB | 5 |
キーワードC | 5 |
これだけで見るとキーワードAが有効ですが、キーワードBとCはどちらも直接成果が少なく違いが無いことが分かります。しかし、これに対して間接的に成果に貢献した数値を追加してみましょう。
ここで言う「間接的」とは、成果にたどり着いたユーザーがたどり着く前に訪れた流入元を意味します。
流入元 | 直接成果数 | 間接成果数 |
---|---|---|
キーワードA | 40 | 5 |
キーワードB | 5 | 30 |
キーワードC | 5 | 5 |
キーワードBの間接成果数が最も高いことが分かります。つまり、キーワードBは成果にその後つながりやすいキーワードということを意味しています。もし予算削減のため、どれかキーワードを1つ停止するとしたら、キーワードBではなくキーワードCを停止したほうがよいことが分かります。
もしキーワードBを停止してしまうと、その後の直接成果数が最大で30減る可能性があることをこのデータは示唆しています。このように今まで見えなかったデータを見ることによって、より精度が高い判断を下したり、施策の評価を行ったりすることができます。
では、ここからは「マルチチャネル」機能で提供されていう5つのレポートを確認してみましょう。