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iPhone5パニックにみる、電子マネーインフラ基盤をめぐるフェリカとNFCの戦い

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2012/10/12 08:00

 おサイフ携帯大国の日本。駅の改札やコンビニで、電子マネーでスマートに会計し、さっそうと道を行く人々の姿はもはや日常の光景だ。そんな中、先日販売が開始されたiPhone5におサイフ機能、すなわちNFCが搭載されるのではと期待が寄せられていた。今後、スマートフォンユーザーの増加にともない、拡大が予想される電子マネー市場。そのインフラの現状と今後の課題をクレジットカード評論家であり、電子マネーについても造詣の深い岩田昭男氏が解説する。

ついにiPhoneにおサイフ機能掲載か

iPhone5 ホワイト

 奇抜な発想とそれを支える優れた操作性でスマートフォンの代名詞となったiPhone。日本でも、スティーブ・ジョブスの神話と相まって熱狂的ファンは多い。しかし、iPhoneユーザーたちが一様に口を揃えるのは、Suicaや楽天Edyを使えるおサイフ機能(非接触ICチップ)が搭載されていないのが残念ということだ。わざわざSuicaカードを本体ケースに挟んでなんちゃってモバイルSuicaにしたり、特別なシールを貼って、楽天Edyやnanaco、WAONのいずれかを搭載する人もいる。

 それに対して、アンドロイド型スマートフォンは、おサイフ機能が載った機種も多い。そのため、iPhoneに惹かれるものの、アンドロイドに走るユーザーが多いのも事実だ。つまり、おサイフ携帯大国の日本では、iPhoneの最大の短所といえた。

 そんな中、この悩みがついに解決されるXデーが来た。新機種のiPhone5にはおサイフ機能が搭載されるという噂が流れたために、多くのファンが期待したのだ。ただ、ここで注意したいのは、新機種に搭載されるおサイフ機能(非接触ICチップ)は国産のフェリカではなく、国際標準規格のNFCになるといわれたことだ。ご存じのように、アップルが採用するサービスは「世界の人たちが同じように使えるもの」がモットー。すべて国際標準に則ったものを使う。だから、ほぼ日本でしか使えないフェリカは採用されず、世界中で通用するNFCが選ばれることになったのだ。

ファンの期待は裏切られた

 米国時間で9月12日(日本時間9月13日午前2時)、ついにiPhone5の詳細が発表された。新機種は、全体に画面が大きくなり、軽量化が進んだ。LTEが採用されて通信速度も早くなるなど、基本的な部分での改良が施されていた。ところが、お目当てのおサイフ機能、すなわちNFC搭載については見送りと発表されたのだ。これには、多くのiPhoneファンは面食らった。99%載ってくるものと思っていたから、受けた衝撃は大きかった。

 そういえば、発表の一週間くらい前から動きがおかしかった。アップルの情報統制には定評があり、なかなか真実は伝わってこない。そのような状況下で、漏れてくる情報を元に評論家たちがいろいろ推測する。NFCに関しては「見慣れないアンテナがたっているから、それを使ってNFC通信をするにちがいない」とか、「チップを入れるところに苦労している」など、もっともらしい話がたくさんでてきた。

 しかし、そんな中で、発表が近づいてきてでてきたのは、「今回NFCは見送りになる」という噂だった。いつもこの手の話はでてきては消えるものだが、今度だけはネットでの書き込みが次々に増えたので、私も一抹の不安を感じていた。


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著者プロフィール

  • 岩田 昭男(イワタ アキオ)

    1952年生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。同大学院修士課程終了。月刊誌記者を経て、現在、流通、クレジットカード、電子マネーに強いジャーナリストとして活躍中。著書に『「信用偏差値」あなたを格付けする』(文春新書)、『電子マネー最終戦争』(洋泉社)など多数。最近は宝島社やプレジデント社からクレジットカード&電子マネー、スマホ関連のムックを精力的にだしている。最強のカード選び『岩田昭男のカード道場』、スマホで電子マネーを使ってお得をとる方法を解説した『岩田昭男の三点セット診断』、また『All About』でクレジットカードガイドを務める。

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