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毎日データをモニタリングしていても、ビジネスインパクトにつながらないワケ ─ リクルート式ビッグデータのビジネス活用最前線

 この連載ではビックデータのビジネス活用を目指し日々格闘している、リクルートグループ各社のIT・ネットマーケティング基盤を担うリクルートテクノロジーズのデータサイエンスチームメンバーが、分析者の観点からビックデータ活用における課題、苦労話や最新事例を紹介します。今回は、データ活用においての基本であり、かつ最も大切なことといえるデータの可視化について紹介します。

データの可視化は難しい!?

 前回の流れから今回は具体的な活用方法、例えば需要予測や最適化の方法を紹介!!といきたいところですが、どのような分析においても基本を疎かにすることはできません。

 よく、「詳細な情報まで蓄積、把握できる環境になっている」「モニタリングで数値は見ている」など、データ活用を行う環境において「データを蓄積、把握している状態」「見ている」という言葉を耳にすることがあります。

 しかし実際に話を聞いてみると、「データの蓄積が目的となり、活用しづらい環境のため現実的には使われていない」「数値を確認することが目的になっている」など、日々の業務に追われてしまい、なかなかデータ活用までだどりつけないという実態があります。

 このような「蓄積でき把握できる状態」や「見ている」という意識は、いざデータ活用を実行する際にはマイナスとなるケースがあるのです。そこでまずは「数値は見ている」にフォーカスをあて、データ活用の基本となるデータの可視化について、注意すべきポイントを紹介します。

 もちろん実践されている方にとっては、当然と思われることもあるかもしれませんが、体験談を交えて書いているため共感することも多いと思います。ぜひこの機会にデータ活用の基本を振り返ってみましょう。

 まず、そもそもデータの可視化とはどのようなことを指すのでしょうか。辞書やウィキペディアで確認してみると以下のようになります。

 人間が直接「見る」ことのできない現象・事象・関係性を「見る」ことのできるもの(画像・グラフ・図・表など)にすること、とあります。

 グラフならよく作成しているのでデータの可視化はできている!! そう感じる方も多いかもしれませんね。

 しかし数値は絶対的・客観的なイメージを持ちやすいですが、実際には物理的な「値」にすぎません。

 そのためデータ活用におけるデータの可視化とは、ただ数値を「見る」ことができるようにすることではなく、“目的を定めてデータを可視化すること”がポイントとなります。そして、「明確な目的」に対して「アクションの判断を促すための情報」を「正確に算出」し、「解釈できる形で表現」するために「分析設計」が必要となります。

 さらにビッグデータ時代に突入し、会員情報や購入履歴だけでなく、サイトのアクセスログ、口コミなどのテキスト情報や画像情報など、多種多様な大容量データの蓄積が可能となったことで、データ活用の可能性が一気に広がりました。しかし、情報が複雑になり、理解や処理に時間がかかるようになったことで、「分析環境」の整備なしにはデータの可視化が難しくなってきていることも事実です。

 つまり、データ活用のための可視化には「分析設計」が必要であり、特にビッグデータ時代では「分析環境の整備」も重要となります。そこでまずは「分析環境」と「分析設計」において注意すべきポイントを押さえ、「間違った解釈」を導かないための「解釈のポイント」について、陥りやすい間違いの例をあげながら紹介していきます。

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