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統括編集長インタビュー

「作った後いかに磨き込めるか、そこで勝敗が決まる」
世界を目指す、KAIZEN platform 須藤氏インタビュー


 創業から7か月。史上最年少でリクルートグループ会社の執行役員となった須藤憲司氏が独立して立ち上げたKAIZEN platform社では、Webサイトのユーザーインターフェース(UI)を継続的に改善し、コンバージョン率を高めるプラットフォーム「planBCD」を提供している。前職ではオンライン広告を最適化する新規事業部を立ち上げ、年率2倍成長を4年続けた手腕を持つ須藤氏。「世界で通用するサービスをつくる」と意気込む須藤氏に、その狙いと戦略を聞いた。

「想定以上」売上高は月平均で234%成長

 ―― 会社設立から7か月ほど経ちました。狙い通りの立ち上がりですか?

 おかげさまで、想定していた以上に快調です。売上高の月平均成長率は234%。企業の方々はやはり困っていたんだなと再確認しました。

KAIZEN platform社 Co-founder & CEO 須藤憲司氏
KAIZEN platform社 Co-founder & CEO 須藤憲司氏

 ――月平均成長率200%超えですか!ニーズをとらえていたんですね。「planBCD」はどのようなサービスなのでしょうか?

 「A/Bテスト」の手法を基礎にしたサービスです。「planBCD」では、Webページ、メールマガジンやバナー広告などの一部の要素だけを変更した複数のデザイン案の中から、サイト運営者が試したいものを選択すると自動的に「A/Bテスト」を実施し、最も効果の高いデザイン案を選択、WebサイトのUIを改善することができます。

 ――サービスプランは「エンタープライズ版」と「オンライン版」との2つですが、それぞれの特徴は?

 「エンタープライズ版」は、大手企業内で使っていただくことを想定して設計しています。社外秘プロジェクトなど社内やパートナー企業等のリソースだけを使用するプラットフォームレンタル型で、月額50万円で提供しています。

 数多くのWebサイトを運営している企業様にも対応できるようにドメイン数の制限がなく、チーム管理ができるなど機能が複雑なのでわれわれがサポートしながら改善していくサービスで、現在、20社にご登録いただいています。

 一方で、「オンライン版」は改善したいWebサイトの共通のヘッダーに、planBCDのJavaScriptを張り付けるだけといたって簡単。機能はできるだけシンプルに絞り込み。“セルフサービス”の形式で提供しています。

 また、現在クローズドβ版でクラウドソーシングを使って、オンライン上で登録されたグロースハッカーに依頼できるオープンオファーという機能を提供しています。

  こちらは、デザイナーが自社にいない企業を中心に使われています。

 ――オープンオファーは、WebサイトのUIを改善しコンバージョン率を高めることができる、質の高いデザイナーを確保する必要があるわけですね。

 クラウドソーシングのデザイナーは、何%コンバージョンをアップしているか数値化できるので、ランク分けができるんですね。そのため、上位10%のデザイナーだけに依頼したい場合は月50万円、上位50%のデザイナーに依頼する場合は月20万円、何もセグメントせずに依頼する場合は、10万円というように価格差をつけていく予定です。

 しかもパフォーマンス保証として、コンバージョンレートが上がらない場合は料金をいただきません。だからこそ、質の高いデザイナーさんと組むことが重要です。

 現在の勝率は7割。コンバージョン率が高まった案件を平均すると、コンバージョンレートが8割、つまり1.8倍になるので、やったほうがいいよねということになりますよね。オンライン版は、スタートアップ企業を中心に利用社数が200社を超えていて、デザイナー200人では足りない状態。今急いでデザイン会社やWeb制作会社などと業務提携を進めているところです。

 ――オンライン版はスタートアップ企業さん向けに、自分たちで「A/Bテスト」を簡単にやりたいというニーズをくみ取っているわけですね。

 大企業でも、新規事業として立ち上げたので予算が少ないという場合はオンライン版を使っていただいていますよ。日本の会社を中心に60社くらいにヒアリングしたところ、月200万円程度かけて「A/Bテスト」を行っているという話でした。「A/Bテスト」はすごくお金がかかる状況なのです。

 たとえば、エンジニア1人とデザイナー1人を張り付けて、テストをやろうと決めてから開始するまで5週間のリードタイムを必要とします。エンジニアやデザイナーが潤沢にいるわけではないので、できないことも多い。しかもツールが複雑で使えないということもあります。だからといって「A/Bテスト」をやらないとWebサービスは成長しない。これらボトルネックになっている部分を解決したいと考え、「planBCD」を作りました。

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この記事の著者

押久保 剛(編集部)(オシクボ タケシ)

メディア編集部門 執行役員 / 統括編集長立教大学社会学部社会学科を卒業後、2002年に翔泳社へ入社。広告営業、書籍編集・制作を経て、2006年スタートの『MarkeZine(マーケジン)』立ち上げに参画。2011年4月にMarkeZineの3代目編集長、2019年4月よりメディア部門 メディア編集...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

中原 美絵子(ナカハラ ミエコ)

フリーライター。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2014/08/09 00:05 https://markezine.jp/article/detail/19021

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