急成長中の注目企業クリテオ
グローバルでレコメンデーション広告事業を展開するクリテオは、2005年にフランスで誕生した企業。2013年12月現在では、世界16都市にオフィスを構え42の国と地域に広告を配信。日本オフィスは2011年2月に設立し同年7月から日本での事業を開始している。今年の10月には米ナスダックへ上場し業界関係者の話題をさらった。
同社が提供する広告サービスは一般的にはリターゲティング広告と呼ばれているが、同社が開発したアルゴリズムにより精度の高い広告の配信が可能なため、他のリターゲティング広告に比べパフォーマンスが高いことで知られている(参考:Interview:クリテオの日本市場における成功の秘訣と、今後の戦略とは?,ExchangeWire JAPAN)。現在はEC、旅行、人材といったクライアントが主な広告主層となっている。
業績は絶好調だ。2010年に66百万ユーロだった売上が2013年はQ3の段階で308百万ユーロまで成長。現在のレート(1ユーロ=142円)で換算すると約93億円(2010年通期)だった売上が、2013年Q3時点で約437億円まで成長していることになる。
一方、売上分布は南北アメリカ:27%、ヨーロッパ(EMEA):52%、APAC:21%という割合。この傾向に対し、同社のビジネスデベロップメントシニアマネージャーの天野氏は「ここ2年ぐらいはAPACが売上伸長に大きく貢献している状況。日本においてはヤフーさんとの取り組みをはじめ、メディア各社さんとのお取引数が順調に増えています。また、直近の傾向ではスマートフォンの普及とともにモバイル広告が急激な成長を見せています」
収益向上に貢献
続いてケーススタディのセッションではニフティ株式会社が運営するポータルサイト「@nifty」と、株式会社神戸新聞社が運営する「神戸新聞ネクスト」と「デイリスポーツ」の取り組みが紹介された。どちらもクリテオを導入済みのメディアサイトとなるが、導入したことでどの程度収益に貢献しているのかが語られた。
導入のきっかけについて@niftyを担当する鳩飼氏は「インプレッションが頭打ちの中、インプレッション単価をいかに向上させるのかを課題として抱えていました。また手売りの純広告の引き合いが激減し、運用型広告へのニーズが加速しており信頼できるアドネットワークがあれば、在庫をあずけたいと考えてました。そういった課題を抱える中でクリテオの存在を知り、試してみることを決めました」と語った。
結果として過去に利用していたアドネットワークに比べ高いパフォーマンスとなり、収益面でもインプレッション単価の向上につながったという。「収益向上につながることが見えてきましたので、スマートフォンでの取り組みを含めこれから色々試していきたいと考えております」(鳩飼氏)
2014年のロードマップ
セミナーの最後では2014年以降の取り組みが同社のパブリッシャーマーケットプレイス シニアマネージャーの大坪氏から紹介された。急成長中のスマートフォン向け広告の強化はもちろんだが、直近の目玉はフォーマットの追加による掲載枠の拡大だ。
「2014年1月予定で300✕600という新しいサイズの広告フォーマットを追加します。テストによると300✕250の2倍以上のCTRが見込めるという結果がでていますので、収益向上にも貢献できるのではないかと想定しております。またテキスト+画像広告フォーマットの提供も開始します。弊社としてはこれからもメディア様の収益向上に貢献したいと考えております」