キャンペーン概要
時期:2014年
国名:USA
団体名:UNICEF
業種:慈善団体
“あまりにも酷い”と感じた出来事が、実際に起きている
ユニセフが、南スーダンの飢餓や感染症に苦しむ子供たちの現状を“新作ゲームに例えて訴える”という驚きのプロモーションを実施しました。
ユニセフがその名を伏せてプロモーションを実施したのは、ワシントンD.C.で開催されたゲームショーの新作ゲーム発表会。プロの俳優が新作ゲームの発表者として登壇し、集まったゲームファンに向けて、新しいゲームの概要を紹介するというものです。
「今日ご紹介する新作ゲームは“Elika’s Escape”というゲームです。」と始める発表者。「戦時中を舞台とした一人称のサバイバルホラーゲームです。」と続けます。集まったゲームファンは静かに関心を持って耳を傾けています。
しかし、“ゲームの主人公が7才の少女”であり、彼女をプレイすることになるとの説明の後、会場の場の空気は変わり始めます。そして、ゲーム内容に話が進むと、集まった人たちの表情は驚きと悲しみと怒りが入り混じったものになります。
発表者が紹介したゲーム内容、それは「母親は病死し、兄は“少女”を守るために殺害されるシーンから始まる」「“少女”は必死に逃げるが、その途中で弾頭が弟の頬をかすめる」「避難所に到着したが、衛生状態は悪く、食糧どころか安全な水分すらない」というものでした。
さらに発表は続き、「食糧難から脱出し、家族の治療費を賄うために“売春する”という選択肢があります。」との言葉で、不快感を露わにして席を立つ人が続出します。
ここで、南スーダン人女性と男性が前に立ち、実はこれは新作ゲームの内容でなく、今まさに南スーダンで起きている現実なのですと話し、ユニセフによる啓発プロモーションであったことが明かされました。
2014年、世界各地の子供たちを数々の災害や危機が襲いました。数年前に独立したばかりの南スーダンでも深刻な食糧危機と絶え間ない紛争が子供たちの命を脅かしています。登壇した南スーダンの女性によると、ゲームの主人公として紹介されたElikaという“少女のような現実を強いられている子供たち”は南スーダン国内に大勢いるといいます。ゲームとしてでも受け入れることができない、あまりに酷すぎる惨状が現実で起きているのです。
本プロモーションをきっかけに、生きるか死ぬかという危機的な状況にある南スーダンの現状について話し合い、SNSでシェアを促し、関心度を高め、多くの人からの支援を呼びかけています。
動画はこちら
参考サイト
先週の紹介キャンペーン
彼が扉の先で見たものとは? スマホをかざすと「覗き見」体験ができる、Durexの二重構造動画
記事転載元:AdGang