キャンペーン概要
時期:2015年
国名:フランス
ブランド/企業:MARC DORCEL
業種:映像
フランスの愛すべき馬鹿野郎たち
2015年カンヌライオンズ ダイレクト部門でゴールドを受賞した異色の作品をご紹介します。フランスのポルノメーカー「MARC DORCELによる「#HandsOff」と題されたケースです。
“ヨーロッパ ポルノフィルム界の帝王”として名高いMARC DORCEL氏には差し当たっての悩みがありました。それは、インターネット上に溢れかえる無料アダルトビデオの存在。同社が提供する“月額9.99ユーロの高画質ポルノフィルムストリーミングサービス”は、これにより見向きもされていませんでした。
そんな中MARC DORCEL氏は、「高画質の映像を見てもらえれば、その良さがわかってもらえるのではないか」と考え、同社が保有する高画質のアダルトビデオを特設サイトで公開し、あるたった一つの“条件”をクリアすれば、誰でも無料で視聴できるようにしたのです。
その“条件”とは……映像の視聴中は、キーボードの[Q][S][P][L]という4つのキーを押し続けるというものでした。
各キーから一瞬でも指を離してしまうと、画面は真っ暗になってしまうのです。
察しのいい方なら既にお気づきかもしれませんが、これら[Q][S][P][L]という4つのキーは“両手”を使わないと押せない配置になっています。ということはすなわち、ポルノ映像を見ながら“あの行為”を行うのが至極困難というわけです。そして“両手を離して普通に見続ける”には、料金を支払わなければならないというシステムでした。
この試みに対して体験した男性たちからは、「いまだかつてないサイコーにひどい拷問だぜ!」「これほどキーボードを愛おしいと思ったことはないよ……」といった声があがるなど大いに評判になるとともに、各種メディアでも数多くのパブリシティを獲得しました。
さらにはユーザー自身が、“無料で視聴し続けるための涙ぐましいアイディア”を自発的にFacebookやVineで公開して共有するなど、CGMでも盛り上がり。爆発的な拡散がなされたようです(ネコの手を借りて代わりにキーを押してもらうアイディアとか、バカバカしすぎて大好きです)。
結果、DORCEL.comへの訪問者は27倍に、有料加入者は50倍に急伸したといいます。ターゲットである男性の心理・インサイトを見事とらえた、素晴らしくイカしたプロモーションでした。
動画はこちら
先週の紹介キャンペーン
シニアのスマホ売上が約8割も増加!SNSで高齢者と若者が交流する仕組みを生み出した、素敵な取り組み
記事転載元:AdGang