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テレビメタデータが切り開く、テレビとネットの融合の可能性/新たな収入機会を創出するテレビ局

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2015/10/13 10:00

 アタラ合同会社が運営するメディア「Unyoo.jp」から、コラムやキーパーソンへのインタビュー記事をピックアップして紹介する本連載。今回は、アタラ 取締役 COOの有園氏が、テレビメタデータの提供および活用を推進する株式会社エム・データ 取締役の薄井氏と、ライフログ総合研究所 所長の梅田氏に行ったインタビューの要約版です。

「テレビメタデータ」とは何か

有園:エム・データはテレビメタデータを作っている会社ですが、「テレビメタデータ」とは何でしょうか。

薄井:テレビメタデータというのは、テレビ番組およびテレビCMの放送実績の全てをテキスト化したデータのことをいいます。本来の番組表とは違い、放送実績に基づいて記録するテキストデータのことを、業界では「テレビメタデータ」と呼んでいます。一部、画像や音声認識テクノロジーを使っていますが、基本は人海戦術。人力でテレビメタデータを生成しています。茨城県水戸市にデータ入力センターがあり、100名近いオペレーターが在籍。24時間365日ひたすらテレビを見ながら人力で、全ての放送実績を独自のノウハウで要約(サマライズ)し、テキスト化しています。

有園:リアルタイム、あるいは10分遅れくらいでテレビの放送内容に関連した情報が、たとえば、ヤフーの検索結果に出るんですよね。

薄井:そうです。テレビメタデータには4つのデータベースがあるのですが、中心となるデータベースは、番組の詳細情報の「番組データ」とCMの放送実績ログと呼ばれる「CMデータ」の2つです。そして、番組データの中から番組で紹介された商品の情報や、店舗・施設の情報だけをセグメントして、「商品データ」と「店舗・宿泊施設などのスポットデータ」を作っています。これらで4種のデータを構成します。その他に、人物(出演者)や楽曲の情報、放送時間や回数でランキングしたコンテンツなども生成しております。

有園:たとえば番組で商品が紹介されたら、いつ、誰が出て、どのような内容であったのか、ということとは別に、商品名やジャンル、URLなどもデータにするということでしょうか。

薄井:番組内で紹介された固有名詞商品に対して、各メジャーECサイトのどのページで当該商品が売られているかというURLも採録しています。実際、1日あたりの商品の紹介点数は、東京キー局だけでも1日平均で300点前後(名・阪局を合わせると1日700点前後)あり、それを全て採録対象にしています。楽天やヤフー、Amazonクラスになると、その8~9割の商品を取り扱っており、我々のオペレーターは、たとえばヤフーに届けるときは、ヤフーの取扱商品のデータだけをセグメント配信しています。

有園:これは、どの程度の効果があるのでしょうか。実際のところ、テレビで紹介した商品はネットで売れているんですか?

薄井:はい。テレビの影響もあり、爆発的なセールスにつながっています。売れる月は、取引のあるECサイトでは合計額で数千万から億にのぼるそうです。ヤフーの場合は、ヤフーショッピングで買えることもあるのですが、検索が強みなので検索と連動させています。長い商品名を視聴者の方がテレビ番組を見て、一瞬で覚えられるかというと、なかなか難しい。でも、見ていた番組名は記憶に残っていますから、番組名で検索すると、直前に紹介された商品の情報が、検索結果の上位に表示されるよう機能化されているのです。

有園:長い商品名は覚えられなくても、その商品がどの番組で紹介されたかは覚えているから、番組名で検索した時に、検索結果の上位に出てくるように仕込んでおくってことですね。

薄井:そういうことです。当然、テレビで紹介された当該商品は売れるのですが、関連、類似、周辺商品のレコメンドも最適化されており、ついで買いも売り上げに貢献しているようです。その派生で、他のEC事業者や、最近ですとリスティング広告連動、DSPとの連携が、モデルとして出てきています。

広がるテレビメタデータ活用の可能性/TBSの活用事例

有園:業界が注目しているテレビメタデータの活用ですが、他にはどのような事例がありますか。

薄井:約1年半前に、テレビ局の資本が入ったことによって、我々は、次世代テレビメタデータ構想を推進しています。その構想に向けたイノベーションのテーマとして、「オフィシャル」「リッチ」「リアルタイム」「カバレッジ」の4つがあります。

 キー局との資本提携で、「オフィシャル」はクリアされ、残りの3つの中でも「リッチ」と「リアルタイム」にフォーカスしています。その一つの事例として、2014年春から始まったのが、TBSの「ぶぶたす」というアプリで、放送前情報をメタ化する取り組みです。TBSから放送前に提供される台本のような情報や映像をベースに、放送前にテレビメタデータを生成します。

有園:いわゆる、「前メタ」と呼ばれるものですね。

薄井:そうです。その中には出演者や紹介される予定の商品、お店や宿、音楽情報や映画、CMなどの情報が含まれています。それをタイムライン(番組構成の時間軸)に基づいて、遷移させる先のURLと共にメタ化します。ユーザーが「王様のブランチ」などの対象番組を見ながら「ぶぶたす」アプリを利用すると、放送番組にピッタリと同期して、出演者や商品などの情報がSNSのようなタイムラインで表示されます。ユーザーが、たとえば「この商品、気になるな」とコンテンツバーをタッチするとECサイトなどに遷移して、すぐに商品が購入できるという仕組みです。これがテレビ局と連携した「リアルタイムメタ」という取り組みの特徴です。

有園:事前に、番組でどの商品を取り上げられるかわかっているので、アプリ側での準備ができて、仕込まれているという状態になるわけですね。


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著者プロフィール

  • 有園 雄一(アリゾノ ユウイチ)

    株式会社電通デジタル 客員エグゼクティブコンサルタント/アタラ合同会社 取締役 COO 早稲田大学政治経済学部卒。 オーバーチュア株式会社(現ヤフー株式会社)、グーグル株式会社(Sales Strategy and Planning/戦略企画担当)を経て現職。2004年、検索キーワード入りテレビCMを考案、日本で最初にトヨタ自動車「イスト」CMが採用。2014年、Dual AISAS Model(R)を提唱。株...

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