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マーケターのためのアナリティクス活用講座(AD)

メリットをきちんと理解していますか? 失敗と成功から考える「テキスト・マイニング」の活用方法

SNS分析ツールでできること/できないこと

 首尾よくリーダーを説き伏せてSNS分析クラウドサービスを導入した新人X君。導入後2ヶ月たった今日このごろ、何だか顔色が優れません。

リーダーY「どうだい、SNS分析ツールは?『消費者がどうして買うのか』わかった?」

新人X「面白いコメントは沢山あります。でも、本格的なマーケティング活動として提案する自信はないです。まして『商品開発にフィードバック』なんて実際は不可能です」

 多くの場合ネットのクチコミが抱える問題は、書いた人が誰なのかが判らないため回答者の偏りがどの程度あるのか判然とせず、そこでの傾向がマーケットを代表していない点にあります(※2)。全体の縮図としてのサンプルでない限り、そこから結論を拙速に出すのは危険です。また、クチコミそのものも作り話である可能性もあり、所詮は「こんなことを言っている人がいた」ということがわかるだけです。それならWebをブラウザーで見ているのと本質的に変わりなく、投資の正当化は難しそうです(※3)。

 つまるところ、新人X君の今回の失敗は、「消費者の多様な意見が読める」ことを導入の効果と説明していれば良かったのに、それ以上の期待を抱かせてしまったところにあります。もちろん、素晴らしいコメントをネットに書き込む人もまれにいるかもしれず、その場合はマーケティングや商品開発の参考にすることも可能になるかもしれません。ですが、最初からそれを期待するのは間違いです(※4)。

 このように、テキスト・マイニングの難しさは、比較的新しい技術であるため活用の仕方や期待できるメリットが認識として定着していないことに起因することが多いのです。そこで、ここでは実際の活用事例とそれを支えたマイニング技術をかいつまんでいくつかご紹介します。

※2 プロペンシティ・スコアリングという回答者の偏りを補正する技術があり、この場合も応用可能性がありますがここでは単純化のため着目しません。
※3 イベント実施や新製品発表などの前後で比較してみるなどの相対的評価には十分有効です。また自社に関するSNSコメントを読む生産性向上はあります。
※4 定性的な知見はそれがたとえ示唆的であったとしてもそのままビジネス・アクションに移さずに、定量調査で正しくサンプルを取った上でそこでの傾向から全体を推し量ることの方がより安全です。

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この記事の著者

津田 高治(ツダ タカハル)

USの大学院から経済学修士を取得した後、2001年よりアナリティクスを始める。流通・保険・メディア・製造など各種業界でアナリティック・コンサルティングを実施した後、SAS Institute Japanのソリューション・コンサルティング  シニア・マネージャー(現職)として日夜アナリティクスのお客様適用に研鑽を積む。趣味は料理とショッピング。■講演 Analytics 2013 - SAS® Fo...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2015/10/13 14:00 https://markezine.jp/article/detail/23193

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