キャンペーン概要
時期:2015年
国名:オランダ
企業/ブランド:Elan Language
業種:インターネットサービス
サーモンを散らすか、ウマを散らすか
Elan Languageというオンライン翻訳ツールをご存じですか? 今回は、同社が知名度向上のために、オンライン翻訳ツールの代表格であるGoogle翻訳に挑んだ取り組み、その名も“Taste the Translation”(翻訳をご賞味あれ)をご紹介します。
Elan Languageが翻訳の正確性を競う題材に選んだのは、私たちにはお馴染みのクックパッドに掲載されている日本語レシピ。
今回は「ひな祭り ちらし寿司ケーキ」の日本語レシピを、Elan LanguageとGoogle翻訳がそれぞれ英語に自動翻訳し、それらの結果をもとにシェフが実際に調理して、“出来上がった料理の差で翻訳の質の違いを訴求する”という取り組みを実施しました。
まずは、材料をゆでるところから。日本語レシピには『菜花、ほうれん草は、お湯でさっとゆでる。ゆでたらざくざく切って、根っこの部分は捨てる。』とあります。Elan Languageはこれを“Boil the Spinach.”(ほうれん草をゆでる。)、“Discard parts of the root.”(根の部分は切り捨てる。)と訳し、ほぼ正確に翻訳してしています。
一方、Google翻訳は、“Rape spinach.”(ほうれん草をレイプする。)、“Discard roots by cutting lots of coins.”(たくさんの硬貨を粉砕して根を切り落とす。)とし、料理は出だしから大変なことに。Rapeにはセイヨウアブラナの意味があるので、おそらく“菜花”が“Rape”に誤訳されたものと思われます。
続いて、日本語レシピには『ごはんにちらし寿司の素とほうれん草、ふりかけを混ぜる。』とあるところ、Google翻訳は“Mix spinach with rice sprinkled flyers.”(ほうれん草にご飯がちりばめられたチラシを混ぜる。)と訳してしまい、“ちらし(=散らし)”が“チラシ”に誤訳されてしまっていることがわかります。
そして仕上げ。日本語レシピは『ごはんの上に、細かく切った薄焼き卵を敷く。バラ型に巻いたサーモン、角切りにしたアボカドとイクラもトッピングする。フルーツトマトをのせればさらに激うま。』とあります。これが、Elan Languageでは“Add the rose salmon, diced avocado and salmon toppings.”(バラのサーモン、角切りのアボカド、サーモンをトッピングする。)となり、まずまずの翻訳具合ですが、
Google翻訳では、“Hard horse further hovered the tomato fruit.”(硬い馬がトマトフルーツの上をホバリングする。)となってしまっており、“激うま”が“硬い馬”と全く違うものになっています。
そして、出来上がった料理がこちら。
Elan Languageの翻訳を読んで作った料理と、Google翻訳を参考にして作った料理の差は一目瞭然です。
最後は試食会。目隠ししてそれぞれの料理の味を確かめてもらいます。
Elan Languageが翻訳したレシピで作った“寿司ケーキ”は皆おいしく食べますが、Google翻訳で作った“寿司ケーキ”は、一口食べて思わず吐き出す人や、むせる人も。チラシやフィギュアは食べられませんよね。出来上がった料理の出来栄えで、翻訳の質の違いを見せつけ、高い翻訳能力を訴求したユニークな取り組みでした。
動画はこちら
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記事転載元:AdGang