SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

おすすめのウェビナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

『MarkeZine』(雑誌)

第99号(2024年3月号)
特集「人と組織を強くするマーケターのリスキリング」

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラス 加入の方は、誌面がウェブでも読めます

イベントレポート

マーケティングがなければ、資本主義は崩壊する/コトラー氏が語る、マーケティングの持つ役割と問題の本質


 10月13・14日の2日間にわたり、ワールド・マーケティング・サミット・ジャパン2015が東京で開催された。同サミットの創業者兼主催者であるフィリップ・コトラー氏は基調講演でマーケティングの役割と問題の本質について語った。

 ワールド・マーケティング・サミット・ジャパン2015は、「デジタル時代におけるグローバルマーケットで勝つためには」をテーマに、世界各国のマーケティングの第一人者を招き開催された。開会にあたり、同サミットの創業者兼主催者である米ノースウエスタン大学 ケロッグ経営大学院のフィリップ・コトラー氏は現代マーケティングの持つ役割と問題の本質について、次のように語った。

米ノースウエスタン大学 ケロッグ経営大学院 フィリップ・コトラー教授
米ノースウエスタン大学 ケロッグ経営大学院 フィリップ・コトラー教授

マーケティングがなければ資本主義は崩壊する

 コトラー氏は、基調講演の冒頭で「マーケティングがどうしたら、1%の資本主義の恩恵を受ける人だけでなく、より多くの人にとって資本主義が有効に活用できるのか、ということを考えたいと思う」と切り出した。富をもっと多くの人々に共有しなければならないということだ。「利益」「地球」「人」のトリプルボトムラインをいかにして共有できるのかということを考えていく必要があると主張する。

 70年代から90年代にかけて、日本は次々と産業を席巻してきた。多くの製品、新しいコンセプトを次々と生み出し、「カイゼン」や「TQ(総合的品質)」といった言葉もこの時代に生まれた。これらは、90年代に日本がもたらした贈り物、ギフトだったのだ。しかし今、世界は大きく変わった。その中で日本の企業も戦略を再検証する必要があるとコトラー氏は語る。

 その上で、コトラー氏は1つのテーマを提起する。「マーケティングと資本主義に関係性はあるのか」ということだ。かつて英国首相のチャーチルが、「民主主義は最悪のシステムだが、それ以上のシステムはない」と表現したのを引用し、コトラー氏は「資本主義は最悪のシステムだが、それ以上のシステムはない」と語る。なぜ資本主義が最高のシステムなのだろうか。それは、物やサービスを多量に生産できるからだ。資本主義の利点は、非常によい「供給システム」だということだ。しかし、システムとして本当に機能するには十分な需要を構築できるのか、ということが重要となる。いくら物が供給できたとしても、個人が「買わない」という判断をする場合もあるからだ。もしだれも何も買わなければ資本主義経済は崩壊してしまう。だからこそコトラー氏は「強力なマーケティングがなければ資本主義は崩壊する」と説いている。しかし、現代のマーケティングは、そもそも解決しなければならない問題を内包している。

会員登録無料すると、続きをお読みいただけます

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

次のページ
資本主義の原動力となりうるマーケティングが抱える問題点

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
関連リンク
イベントレポート連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

市川 明徳(編集部)(イチカワ アキノリ)

MarkeZine編集部 副編集長 大学卒業後、編集プロダクションに入社。漫画を活用した広告・書籍のクリエイティブ統括、シナリオライティングにあたり、漫画技術書のベスト&ロングセラーを多数手がける。2015年、翔泳社に入社。MarkeZine編集部に所属。漫画記事や独自取材記事など幅広いアウトプットを行っ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2015/10/20 17:30 https://markezine.jp/article/detail/23268

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング