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CCCのリソースを最大限利用してサービスをグロースさせる「TSUTAYA TV」

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2016/03/15 08:00

 2015年に多くの動画配信サービスが進出し、競争が激化した。その競争の中で打ち勝つための差別化戦略を事業者に聞く本連載。今回は、SVODとして2015年8月にリニューアルを行った「TSUTAYA TV」を運営するT-MEDIAホールディングスの山内氏に話を伺った。

SVODとして新たなスタートを切った「TSUTAYA TV」

MZ:TSUTAYA TVは2015年8月にリニューアルされたと聞いています。まずリニューアルまでのサービスの変遷を教えてください。

株式会社T-MEDIAホールディングス 執行役員
エンタテインメント事業本部 本部長 山内智裕氏

山内:TSUTAYA TVはテレビ内の都度課金型の動画配信サービス(以下、PPV:Pay-Per-View)としてスタートしました。その後ネット配信に移行し、月に20本まで映像作品を視聴できるサービスとして提供してきました。そして、昨今の定額課金型動画配信サービス(以下、SVOD:Subscription Video on Demand)の流行もあり、見放題の方がユーザーにもわかりやすいということから、SVODのサービスとしてリニューアルを行いました。

MZ:リニューアルをして、見放題になった以外に変更した点はありますか。

山内:SVODではありながら、PPVの機能もサービスに加えています。933円の見放題プランに、1,080円分のポイントを付与することで、新作を含むSVODで取り扱いのない作品をPPVで見ることが出来ます。新作であれば、2本分に当たりますね。

 また、宅配レンタルサービスとして展開している「TSUTAYA DISCAS(ツタヤ ディスカス)」とのセットプランを用意しているのも、変更点のひとつです。SVOD単体ではなく、様々なサービスを組み合わせることで、圧倒的な作品数を用意しています。ターゲットは、品ぞろえの豊富さを魅力に感じてくれるDVDレンタルや動画配信サービスのヘビーユーザーです。

MZ:具体的には全体でどのくらいの品揃えになるのですか。

山内:SVOD単体では49,752作品、そして宅配レンタルやVODのサービスを含めると約20数万のコンテンツになります。この在庫は国内で一番在庫を持つSHIBUYA TSUTAYAの1,5倍近くにあたる在庫量であるため、新作を含めた品揃えには自信があります。

世のクリエイターにチャンスを

MZ:TSUTAYAが持つリソースを活かして圧倒的な作品数を実現しているのですね。オリジナル作品の制作、また独占・先行配信というのもSVOD事業者の1つのトレンドだと思いますが、御社ではいかがですか。

山内:オリジナル作品に関しては、店舗レンタル・配信ともに力を入れています。特に力を入れているのは、クリエイターの支援です。支援の形としては大きく2つありまして、ひとつは映画を制作するチャンスを作ること。これは「TSUTAYA CREATORS'PROGRAM」と呼ばれるもので、映画の企画書を送っていただき、その中からグランプリを決めます。グランプリ作品はTSUTAYA・TSUTAYA DISCASでのレンタル、またTSUTAYA TVでの配信も行います。

 もう一つの支援の形は、映像配信プラットフォームを提供することです。それが「TSUTAYA TV  INDEPENDENT PROGRAM」です。このプログラムでは、すでにオリジナル作品を制作したものの、発表先がないという方のために、TSUTAYA TVでの配信が行えるプログラムです。作品が視聴された際に利益還元する仕組みも用意しているので、一石二鳥なプログラムになっています。

MZ:他社では、配信事業者が企画したり、放送局と連携したオリジナルコンテンツが多い中で、クリエイターの発掘に力を入れているのは面白いですね。どういった背景から2つのプログラムを始めたのですか。

山内:両プログラムともに前提として、「映画を撮りたい」という思いを持った方を応援したいという気持ちで行っています。これまで、その思いがあっても制作できない、制作したものを世にアウトプットできる場所がないといった課題がありました。しかしその参入障壁を下げることで、原作が面白いから映画化、という形だけでなく、映画から面白い作品が出てくるようにしたいという思いもありました。そのため両プログラムによるオリジナル作品の提供に注力しています。


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著者プロフィール

  • 道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

    1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業中。

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