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アドフラウド対策最前線

勘・経験・度胸で広告配信する時代の終焉/「データクオリティ」を意識したアドフラウド対策を


 「CPAを合わせる」「CPMを抑える」といった考え方が、これまでのオンラインで広告配信では一般的でした。しかし、アドフラウドやアドベリフィケーションの観点から考えると、広告が本来狙いたいターゲットにリーチしているか、ブランドを毀損しないサイトに表示されているか、といった視点が重要になります。今回は「データクオリティ」に焦点をあてて、アドフラウドを防ぐ方法について解説します。

「データクオリティ」とは何か

 本連載の第一回ではアドフラウドの基礎知識第二回では米国の事例などをもとにアドベリフィケーションツールを活用したアドフラウドを防ぐ方法について解説しました。今回は日本においてはまだ認識が低いけれども、アドフラウドを防ぐために重要なカギとなる「データクオリティ」をテーマに取り上げます。

 では、「データクオリティ」とはなにを指すのでしょうか。本連載を通して、「bot」ではなく「人」に配信することの重要性を繰り返し語ってきました。しかし、「bot」を限りなく排除し、「人に」配信できる環境が整っているからといって、安心できるわけではありません。

 前回お話した通り、アドベリフィケーションツールを活用し、実際に広告配信したデータと、実在するパネルデータを参照し、「人・枠・面」の3つの要素を改善していくことで、費用対効果を高めることは非常に重要です。しかし、そもそも参照する前の段階である、広告配信する対象のデータクオリティを同時に高めていく必要があるのです。

 例えば、「女性・20代前半・都内勤務・スマホでは女性向けニュースを頻繁に閲覧・ECで服を購入する頻度が高い」といったターゲットに広告を配信したいと考えた場合、どのようにデータクオリティを担保していけばいいのでしょうか。そのターゲットを正確に狙うためには(1)実データと類推データの区別、(2)実データの種類と信頼性、について正しく把握しておく必要があります。

「実データ」と「類推データ」

 まずは実データと類推データの区別から明確にしていきましょう。実データとは、その名の通り、「事実あったデータ」のことを指します。対して類推データは、「仮定や計算、処理をした場合のデータ」になります。

 多少わかりにくいかと思いますので、皆さんに馴染みがあるCookieを例にあげて考えてみましょう。Cookieデータから、【「アドフラウド」と検索した】というのは実際に検索しているから実データとなります。では【「アドフラウド」と検索したから、マーケティング関連の方だ】というデータはどうでしょうか。検索したからといって、マーケティング関連の方という確証はないので、これは類推データです。

 試しに、Googleのアカウント情報から「Google広告の管理」を見ると、自身の性別や年齢、興味関心が表示されます。あくまで、検索や閲覧履歴などに基いている類推データなので、実データとは呼べません。ちなみに私は仕事柄色々なCookieの履歴があるので、アカウントによっては30代前半の女性と類推されます。私は30代後半の男性であり、類推データが必ずしも正しいわけではないのです。

 つまり、かなり正確にターゲットに広告を配信したいならば、類推データから仮説を立てるのではなく、実データから考える必要があります。さらに言えば、botを含んだ類推データを使った場合は、仮説すら土台がゆらいでしまう可能性が高いでしょう。そもそも人ではないのですから。一方、「実データ=事実のデータ」なので、実データをもとにすることで確固たる仮説立案ができることになります。

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この記事の著者

小林 秀次(コバヤシ シュウジ)

Supership株式会社 データマーケティング事業部長。2000年から通信販売カタログ雑誌の編集業務を経験。その後2004年から同カタログのオンラインショッピング事業に従事。Yahoo!ショッピング、楽天市場、自社サイトの運営責任者を担当。2006年1月にオールアバウト入社。オンラインショッピング...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2016/05/23 17:48 https://markezine.jp/article/detail/24193

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