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イベントレポート

顧客の時代の到来、マーケターは何をすべきか? セールスフォースが示す国内外の成功事例


 2016年7月20・21日に開催されたセールスフォース・ドットコムのイベント「Salesforce Summer 2016」。いま企業には、顧客を理解するだけでなく、顧客を中心とし、個々人に最適化された継続的な関係性を構築することが求められている。そのためにどうすればよいか。マーケター向けの基調講演では。海外の取り組みや、サンリオ、三井住友カードのチャレンジが紹介された。

「顧客の時代」が到来した今、マーケティングで実現すべきこと

 セールスフォース・ドットコムが開催した「Salesforce Summer 2016」のイベントテーマは「顧客の時代へ The Age of the Customer」。今日、企業と顧客の関係は「企業から顧客への一方的な訴求」ではなく、「顧客中心のコミュニケーションやエクスペリエンスの実現」へと変化している。

 講演冒頭で「モバイルファーストの視点で、顧客中心のビジネスを目指す企業を支援していきます」と語ったのは、Marketing Cloud CEOのスコット・マッコークル氏だ。

米国セールスフォース・ドットコム Marketing Cloud CEO スコット・マッコークル氏
米国セールスフォース・ドットコム Marketing Cloud CEO スコット・マッコークル氏

 その具体策として、同社はソリューション「Marketing Cloud Lightning」「Email Studio」「Advertising Studio」「Mobile Studio」を提供する。

 Marketing Cloud Lightningは、今年5月にセールスフォースが発表した顧客中心のカスタマージャーニーを実現するプラットフォーム。セールス、マーケティングサービス、コミュニティなど顧客のライフサイクル全般にわたる各タッチポイントを統合し、企業全体と顧客の関係性をOne to Oneで構築するソリューションだ。

 「顧客とのコミュニケーションを進める上で、重要な役割を果たしている」とマッコークル氏が解説するメール、そして広告配信に関しては、データを活用することで、きめ細かくパーソナイズされた顧客とのコミュニケーションを実現する。

 具体的には、Email Studioでメールを活用した顧客とのエンゲージメントを確立し、Advertising Studioによって顧客データを活かした効率的なソーシャル広告戦略を展開し、モバイル上でSalesforce Marketing Cloud(以下、Marketing Cloud)を活用できるMobile Studioの有効活用により、少ない投資で最大の効果を生むマーケティングが実現できるという。

顧客との継続的な関係性作りを目指す、ソニーマーケティング

 とはいえ、道具が揃っても使いこなせなければ意味がない。企業はどのような取り組みをしているのだろうか? イベントではマーケティングクラウド本部の笹俊文氏を交え、日米の小売・金融業界における事例が紹介された。ここからは、その事例を紹介していきたい。

 ソニーマーケティングの河野弘氏は「『継続的なお客様との関係を築いていく』というミッションの下、認知・興味/検討・購入・購入後という流れの中で、顧客と最適な形でつながり続ける“カスタマーマーケティング”を目指しました」と語る。

ソニーマーケティング株式会社 代表取締役社長 河野弘氏
ソニーマーケティング株式会社 代表取締役社長 河野弘氏

 ソニーマーケティングは、家電製品や一眼レフ、ゲーム機など、ソニー製品のセールスマーケティングやサービス事業を一手に引き受けている企業だ。商品の認知から購入後に至るプロセスの中で、いかに顧客の期待に応えられる対応を行うかで、商品への購入意欲や、購入後の満足度が違ってくる。

 そんな同社が志向した「エンゲージメントを確立するための継続的な関係性作り」を実現するために選んだのが、Marketing Cloudだ。「自分たちが目指すカスタマーマーケティングのプロセスと最も合致しているプラットフォームだったのです」と河野氏。

 同社が行いたいと考えたプロセスとは、まず認知フェーズでターゲットとなるセグメントに対して広くアプローチをかけ、興味/検討フェーズの入り口である実店舗に誘引をかけ、そこで商品体験を通じて理解を深めてもらい、購入を促し、さらにその先のロイヤルカスタマーへと継続的に顧客と関わり続けること。そのコミュニケーションの手段として、同社が活用しているのがメールだ。

 例えば、認知フェーズではリターゲティングメールを、実際に店舗などで商品に触れた人にはサンクスメールを送っている。さらに、購入後には製品の便利な使い方などを紹介する提案メールも配信しているという。

 「Email Studioを活用することで、メール内容や送るタイミングなどのA/Bテストを行い、PDCAサイクルを回せるようになるなど、メールマーケティングを最適化できています」(河野氏)

 結果を見ても、リターゲティングメールは開封率60%、クリック率37%という高い数値を叩き出し、サンクスメールも開封率65%、クリック率が24%と大きな効果を上げている。今後は、メールに反応しなかったセグメントに向け、Advertising Studioを活用してソーシャル広告を表示するなどの施策を実施し、ロイヤルカスタマーを育てていく構えだという。

次のページ
顧客視点のコミュニケーションへ変革を遂げる方法とは?

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この記事の著者

岩崎 史絵(イワサキ シエ)

リックテレコム、アットマーク・アイティ(現ITmedia)の編集記者を経てフリーに。最近はマーケティング分野の取材・執筆のほか、一般企業のオウンドメディア企画・編集やPR/広報支援なども行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2016/08/23 10:51 https://markezine.jp/article/detail/24925

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