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生活者の“本音”を読み解く、「ソーシャルリスニング」の新活用法

2017/06/01 09:00

 毎回、様々なコンテンツを取り上げ、それらがシェアされる理由を分析してきた本連載。今回はある企業の事例を取り上げ、ソーシャルリスニングの活用法を紹介します。

シェア拡散されるコンテンツの設計術を考える

 こんにちは、スパイスボックスで事業統括責任者をしています物延秀(もののべ しゅう)です。その時々の時流に合わせ、コンテンツがシェア拡散される理由を分析してきた本連載。過去記事では、国内でもっともシェア拡散したさまざまな広告事例の解説のほか、広告に限らず映画や音楽、選挙、メディアなど、幅広い視点でコンテンツがシェア拡散される理由や背景を紐解いてきました。(前回記事はこちら)。今回はさらに基本に立ち返り、シェア拡散するコンテンツを生み出すためのコミュニケーション設計手法についてお話しします。

 まずは前提として、生活者を取り巻く情報環境の変化により、企業のコミュニケーション活動において、マスを中心とした一方向的な情報発信が届きにくくなり、ソーシャルメディア(以下、SNS)上でシェア拡散(エンゲージメント)するコミュニケーション手法が求められるようになった背景を振り返りたいと思います。

情報爆発で、ブランドと生活者の関係構築がより重要に

 インターネット普及以降、もっとも大きな変化として挙げられるのが、生活者が摂取する情報量の爆発的な増加です。ここ十数年で何百倍に増加しているともいわれる情報量を押し上げた最大の要因は、スマートフォンとSNSの普及です。

 誰もが高解像度の動画や画像を自由に発信できるようになったという点では、ここ数年でその傾向はさらに加速しています。また、様々な商品やサービスが溢れることで新鮮味がなくなった、いわゆる“コモディティ化された社会”においては、生活者はSNS上で“他者の評価”を重視しながら情報を取捨選択し、行動するようになっています。

 人間が消費可能な情報量に大きな変化がないなか、情報量の爆発やそれがもたらす生活者の行動の変化により、企業からの一方的な情報発信は生活者に響きにくくなっているのです。

 こうした変化に対応するため、企業のコミュニケーション活動のあり方も変わりつつあります。かつて、生活者に情報を届けるために、どのようにマスメディアを選択すれば良いか考えていた時代から、今は、いかにSNSなどを使って生活者と関係構築するかを考えなければならない時代に移ってきているのです。

 こうしたなか、広告コミュニケーションを設計するうえで、改めて重要視されはじめているのが、SNSを含むSNS上における生活者の行動データの収集・分析(=ソーシャルリスニング)です。自社の企業名や商品がSNS上で生活者にどのように語られているのか、ターゲットの興味や関心がどういったモノ・コトに向けられているのかを把握することが、企業と生活者の関係構築を目的としたコミュニケーション設計には不可欠になってきているのです。

企業アカウント運営以外にも活用進む、ソーシャルリスニング

 ソーシャルリスニングとは、SNS上での生活者の発言や話題、行動に関するデータを収集、分析することで、企業や商品、業種、業界全体などが、生活者にどのようにとらえられているのかを知る手法です。専門ツールを活用することで、FacebookやTwitter、Instagramなど代表的なSNSや各ブログなどで情報収集、分析を行うことができます。

 国内においては、Twitterが日本上陸した2008年、Facebookが日本上陸した2010年あたりから、SNSの企業アカウントが徐々に増えはじめ、それと同時に大手企業を中心にソーシャルリスニングを導入する企業が現われはじめました。つまり、ソーシャルリスニングの取り組み自体は今に始まったことではありません。

 ただ、現在に至るまで、企業の自社SNSアカウントの運用改善や、自社に関する“炎上の火種”を事前に察知するリスクマネジメントなど、ごく限られた範囲でしか使われてきませんでした。しかし、SNSから取得できる膨大なデータによって生活者の“本音”や“トレンド”を導き出すことは、本来さまざまな用途に活用可能なはずです。事実、昨今、SNS上の話題を起点にコミュニケーション設計し、成功する企業が出はじめています。次ページにて事例をご紹介します。

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