アドビ システムズ(以下、Adobe)は、データの流通・売買を可能にするデータマーケットプレイス「Audience Marketplace」の日本国内での提供を開始した。これに合わせAdobeは、データプロバイダーと「Adobe Audienc Manager」導入企業に向けたローンチパーティを実施。「Audience Marketplace」の詳細な概要説明や、データプロバイダーによるライトニングトークなどが行われた。
「Audience Marketplace」とは?
「Audience Marketplace」は、Adobe Analytics CloudのDMPである「Adobe Audienc Manager」利用者とデータプロバイダー間でのデータの流通・売買を可能にするデータマーケットプレイスである。「Adobe Audienc Manager」の利用企業は、無料で同機能を使用することができ、データの買い入れについては、従量課金と月額性の固定料金の2つのメニューがある。
「Audience Marketplace」を活用することで、ユーザー企業は、自社が保有するファーストパーティーデータを、セカンドパーティデータおよびサードパーティーデータと統合し、付加価値の高いオーディエンスセグメントを作成することが可能。これにより、通常ファーストパーティーデータでは入手できないオーディエンスデータへのアクセスができるようになるほか、より深いオーディエンス理解も可能になる。なお、個人が特定できる情報は取り扱わない。
たとえば、「Audience Marketplace」の活用事例として、観光局と航空会社間におけるやり取りがある。観光局のサイトには、既に旅行を検討している顧客が集まってくる。この顧客のデータを航空会社が活用することで、質の高いパーソナライズドされたアプローチが実現。また、フライトを予約した顧客は、該当都市に訪れることが決定しているため、逆に観光局側は彼らにプロモーションをしないことで、重複コストの無駄を省くことができるのだ。
「Adobe Audienc Manager」のプロダクトマネージャーであるクナール氏は、「まるでECで買い物をしているかのように、シームレスに情報を売り買いできる体験を提供することが目標だ」と話す。同社は、日本でもデータプロバイダーの参画企業を増やし、付加価値の高いオーディエンスセグメントの作成を実現するエコシステムを構築していく。
国内のデータプロバイダー7社による提供データの詳細
今回日本でのローンチに合わせ、「Audience Marketplace」にデータプロバイダーとして参画した企業は、下記の計7社だ。
(1)株式会社インティメート・マージャー
IM-DMPを連携し、推計情報(デモグラフィック属性、興味関心、地域・商圏分析、Web閲覧履歴)を提供する。(2)株式会社インテージ
モニター属性情報として、性別、年齢、職業、居住地、未既婚、子供の有無、年収などを提供する。(3)株式会社Geolocation Technology
どこどこJPを連携し、企業・組織関連情報を提供。組織名、上場区分、資本金区分、従業員区分、業種分類などがある。(4)株式会社ディーアンドエム
モニター属性情報として、性別、年齢、職業、居住地、未既婚、子供の有無、年収などを提供する。(5)デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社
デモグラフィック属性情報、興味関心・嗜好性の推定情報を提供。(6)株式会社マクロミル
モニター属性情報として、性別、年齢、職業、居住地、未既婚、子供の有無、年収などを提供する。(7)株式会社ランドスケイプ
組織名、上場区分、資本金区分、従業員数区分、業種分類、企業系列などの企業・組織関連情報を提供。
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