タブとカテゴリで的確な絞り込み検索を実現
「世界最大の検索エンジンへようこそ」そんなあいさつ文をかかげてオープンした「Cuil」の創設メンバーには、Googleでキャリアを積んだ人物が何人もいる。彼らはその経験をもとにして、Googleとは異なるアプローチによる検索エンジンを開発した。
試しに「sushi(寿司)」というキーワードで検索してみると、10件ほどの検索結果がサマリや画像とともに表示される。画面上部にはタブが表示され、デフォルトでは「All Results」タブですべての検索結果が表示される。その他のタブは、そのキーワードに複数の文脈が想定できることを表している。
また、画面右上には「Explorer by Category」というカテゴリメニューが表示され、関連するカテゴリを選んで表示されたキーワードから、さらに目的の情報を絞り込むことができる。
Cuilが分析対象とするのはウェブであって、個人ではない
Cuilは自らを「世界最大の検索エンジン」と呼んでいる。しかし、Cuilで「sushi」と検索すると検索件数は約2,150万件、一方のGoogleでは5,550万件。現在、 Cuilのインデックス数は1200億件、Googleは先日1兆件に達したばかり。それでも把握しきれないほどウェブの成長速度はすさまじいとGoogleは認めている。しかし、Cuilは「検索エンジンがきちんとインデックスを付けられずに、どうやって正確な検索結果を提供することができるのか?」と疑問を呈している。
ここで、Cuilがかかげている4つの運営方針を見てみよう。そのいくつかはGoogle信者にとっては意外に思われるはずだ。
・インデックスの量は重要である
・ページの「人気」は便利な指標だが、常に重要というわけではない
・情報を系統立てて提示することは必須である
・Cuilが分析対象とするのはウェブであって、利用者個人ではない
Googleの検索結果ページ(上図)を見ると、右上に「パーソナライズ検索」の文字が見える。Googleでは、アカウントにログインすると、個人の検索履歴をもとに、ユーザーが探していると思われる情報を上位に表示するパーソナライズ検索を自動的に行う。しかし、Cuilはこうした個人の検索履歴に興味を示さない。そして、個人を特定可能なあらゆる情報の収集を行わないと明言している。
Cuilは、爆発的に成長を続けるウェブに遅れをとることなく世界最大のインデックスを構築し、人気のないページでも有用なものは参照可能にし、大量の情報を分類・整理して提示することで目的の情報への経路を最短にする。これを技術的に実現可能にすれば、検索履歴など必要ないというのがCuilの主張なのだ。
コンテンツの検索と分析、そしてプレゼンテーション能力でGoogleを超えようとするCuilの検索結果ページは、上の画面のようにどこか楽しげで読みたい気分にさせてくれる。「無味乾燥な検索結果ページを何ページもチェックするなんて、よくやってたよな」なんて言う日が、もうすぐ来ようとしているのかもしれない。
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