リール広告を成功させる制作体制・クリエイティブの秘訣
MZ:AXIS社より「組織」のお話がありましたが、そのほかの2社でも制作・運用体制の工夫はありますか。
栗田(ナハト):ナハトでは、広告運用の担当者が動画やLPのディレクションまでを一気通貫で担当する体制にしています。制作チームと運用チームが分かれている会社も多いですが、分業にすると「運用側はCPAを下げたい」「制作側はデザイン性を高めたい」といった目的の不一致が起きがち。当社は運用者が全責任を持つことで、実際の数値結果をもとに的確なPDCAを実行しています。

山本(KITEN):当社も細分化せず、リサーチ、戦術立案、制作、運用までを一気通貫で行う体制ですね。動画広告は再現性の担保が難しいからこそ、部署を跨ぐとコミュニケーションコストやエラーが発生しやすいもの。「質」を担保しつつ「量」を作るには、一人の担当者が商品からクリエイティブのことまですべて理解している体制がベストだと考えます。
MZ:リール広告における“新常識”や今だからこそ重要なキーワードはありますか?
木口(AXIS):「AIをフル活用すること」ですね。当社の量とスピードに特化した体制にAIを実装することで、検証速度が飛躍的に上がり獲得実績も向上しました。特に徹底しているのが、「素材の作り込み」と「冒頭1〜3秒でどこまで尖れるか」へのこだわりです。あらゆるツールを組み合わせて表現をブラッシュアップし、全員が新しい素材を毎日生み出し続けています。
山本(KITEN):私が考えるリール広告の“新常識”は、「顕在層獲得ゲームから、潜在層獲得ゲームへ」です。リール広告は参入企業が増え、CPMが高騰する中で、顕在層だけを狙った配信は競争が激化しているのが現状。しかし、リールはそもそもエンタメ性の高いコンテンツが集まる面です。楽しさも持ち合わせたハイクオリティのコンテンツによって、新たな広告価値を創造できれば、ミドルファネルへのアプローチでも効果を発揮できると考えています。
栗田(ナハト):私は「パーソナライズ」が重要だと考えています。一人ひとりに合わせて提案する「対面営業」が、やはり一番売れますよね。SNSは個人の好みが集まる場所ですから、画一的な内容ではスルーされてしまいます。
自分向けだと直感してもらうには、これまで以上に個々人に深く刺さる訴求が不可欠です。極論を言えば、100人いれば100通りの広告・LP・フォームを作るべきなのです。だからこそ、当社では一対一のコミュニケーションにこだわり、商品が届くまでの導線を丁寧に整えています。
運用自動化が進む今、配信設定のポイントは?
MZ:加えて、配信設計にポイントがあれば教えてください。最近ではASC(Advantage+ ショッピングキャンペーン)など、運用自動化に便利な機能もリリースされていますが、影響はありますか。
栗田(ナハト):ASCによって、かつてより運用難易度は下がったと感じますが、機械学習が鍵になるからこそ、初動の挙動は特に注視しています。伸びないものはすぐに止めて作り直すといった、細かいチューニングは依然として重要ですね。
山本(KITEN):当社の特徴は、ブロード配信(広範囲への配信)はあまり実施していないことですかね。先ほどの通り、潜在層向けのコンテンツを中心に作っているため、配信対象を広げすぎるとターゲットがブレてしまうからです。まずはターゲットを絞ったセグメント配信をしつつ、徐々に拡大させるというステップを踏んでいます。
木口(AXIS):初動の動きは皆さんに同意です。加えて拡大フェーズでは、各クリエイティブに対する「機械学習のたまり方」を注視しています。動画広告はどうしても「クリエイティブの摩耗」が早いもので、すぐに獲得効率が落ちてしまいがちですが、機械学習の状況を見ながら丁寧に調整し、優秀なクリエイティブを作り出せば、1つのクリエイティブを長く活用することが可能です。

