(1)推薦指標:AIからの「推薦状況」を可視化する
まず見るべきは、自社サービスが生成AIにどれだけ「推薦」されているかです。AI検索では、情報収集や比較検討の多くをAIが代行するため、この段階で推薦されなければユーザーの検討候補にすら入れません。そのため、生成AIからどれだけ推薦されているかという点が、最も重要な指標になります。

具体的には、自社のサービス領域において、ユーザーが比較検討で入力しそうな質問文をあらかじめ用意し、その回答の中で自社が推薦されているかを確認するとよいでしょう。
たとえば、ナイルでは次の質問の回答を定期的に収集し、推薦割合の変動をみています。
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また、推薦の有無だけでなく、「どのように紹介されているか」という質の部分も重要です。
たとえば、自社がPCメーカーとして「堅牢性」を強みにしているにも関わらず、生成AIの回答では別の特徴が訴求され、競合A社のほうが堅牢性で評価されている場合があります。この場合、堅牢性を重視するユーザーはA社のPCを検討候補として認識しやすくなるでしょう。また、仮にユーザーが自サイトへ訪れたとしても、生成AIが提示した訴求と自サイトの訴求がズレているため、コンバージョン率が低下するリスクが生じます。
そのため、推薦割合だけではなく、その内容が適切かどうかまで確認し、必要に応じてサイト情報の改善や表現の最適化を行うことが、LLMOにおける重要な改善プロセスとなります。
(2)引用指標:自サイトが「情報源」として扱われているかを見る
次に確認したいのは、生成AIが回答を作成する際に、自サイトをどれだけ情報源として参照しているかです。
ナイルでは、AIモードやAI Overviewsの回答内における自サイトの引用リンク数を観測しており、あわせて、狙っているキーワード(質問文)に対して自サイトが引用されているか、競合と比べて引用のされ方に違いがあるのかを確認しています。
自サイトがこれらの生成AIの回答内でどれだけ情報源として引用されているかは、「Semrush」「Ahrefs」といったツールを使うことで確認可能です。
なお、推薦指標や引用指標はすべてのAIを追う必要はありません。実際にユーザーの意思決定へ影響を与えるのはごく一部の主要AIです。AI OverviewsやAIモード、ChatGPTに対象を絞って定点観測することで、効率的にPDCAを回すことができます。
