「コンテキスト」を重視、AIに選ばれるための「AEO対策」とは
MZ:企業はどのようにマーケティング活動に向き合うべきなのでしょうか。
板井:SEOは従来通り重要ですが、AI検索の時代では「特定キーワードで上位を取る」だけでなく、なぜその商品が選ばれるべきなのかという論理的な根拠や、ユーザーが置かれた複雑なコンテキストに対して、納得感のある情報を提供できるかがより強く問われます。
MZ:「コンテキスト」とは具体的にどういうことでしょうか。
板井:たとえばシャンプーを探す場合、AI検索では「30代男性です。最近、冬の乾燥で頭皮が敏感になり痒みがあるのですが、刺激が少ないシャンプーはありますか?」といった聞き方をします。
この時、AIは「30代男性」「冬の乾燥」「敏感肌」「低刺激」という複数の条件(=コンテキスト)すべてに合致する最適解を探します。これまでのマス広告やSEOのように「誰にでも当てはまる情報」では、この無数のコンテキストに対応しきれず、AIに選ばれにくくなります。
そのため企業は、ターゲットを単一の像で捉えるのではなく、「細分化されたペルソナ」に自社の強みが「どういったコンテキスト」で刺さるのかを再定義し、自社の強みをAIが理解できる「エビデンス」として継続的、かつ多面的に発信する必要があります。
そのための情報収集・発信は、マーケティング部署だけに閉じる話ではなく、R&Dや製造、営業、PR/IRなど全社的な協力が求められます。つまりAI検索対策とは、事業戦略そのものを見直す取り組みだと言えるでしょう。
MZ:具体的にはどのような手順で戦略を見直せばよいのでしょうか。
板井:当社では、AI検索時代における意思決定ファネルを分析するための「SCOPE(スコープ)」というフレームワークを独自開発しました。
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板井:特徴は、狙う市場を定めた後、ペルソナからもう一歩踏み込んだ「コンテキスト」を作り込むことです。ペルソナの意思決定を左右する制約・不安・期限等のパターンをすべて洗い出し、コンテキストごとにAI検索で提示される要素や比較軸を整理。情報の根拠となるエビデンスを用意し、効果検証・改善を重ねていきます。
このような緻密で誠実な戦略が、マーケティング活動の成否にダイレクトな影響を及ぼすようになるでしょう。
現状把握が出発点。AI検索のインフラ「secondz Agentsense」
MZ:AI検索への対策の有無で、企業間でどのような差がつきますか。
板井:2027年には、企業間で無視できない差が生まれる可能性があります。早期に「自社がAIにどう見られているか」を把握し、不足している情報やエビデンスを補った企業は、あらゆるコンテキストにおいてAIからの強力な推薦を獲得します。かたや対策が遅れた企業は、AIにとって「情報が足りない」「根拠が不明瞭」と判断され、選択肢から除外されてしまう。結果として、顧客接点を失っていくリスクが高まります。
MZ:まずは現状を正しく把握することがスタートラインになりそうですね。
板井:その通りです。そこで、自社がAI検索上でどう扱われているかを把握する手段として活用できるのが、当社が提供するAI検索最適化のためのAIエージェント「secondz Agentsense」です。
「secondz Agentsense」では、ChatGPT・Google AIモード・Copilotにおいて、設定した複数のコンテキストに基づくプロンプトを用い、どのような返答が返ってくるのかを定点的に収集できます。
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その上で、どのブランド群が言及されているのか、参照元はどこかを集計し、レポートに加工して相対的な順位を算出。ダッシュボード画面では、「認知度(自社/他社)」と「好感度(自社)」のチェックも可能です。認知度が高くても好感度が高くなければAIにお薦めしてもらえないため、言及されている文脈まで自動的にリサーチします。
さらに、参照元は一覧として取得可能。AI検索への対応を考える上で、自社サイトだけでなく、外部サイトでの言及を増やすことが重要です。
どの外部サイトの影響力が大きいか、どのサイトでの露出を優先すべきかは、プラットフォームや業界によって異なり、コンテキストごとに細分化しようとすると膨大な情報量になります。そこで、これらをAIエージェントが自動で課題抽出から解決提案まで行う機能(特許出願中)も開発中です。
MZ:「secondz Agentsense」は、特にどのような業界に向いていますか。
板井:製薬・金融系など、情報の正確性が事業リスクに直結する業界では、特に活用の意義が大きいと考えています。また、若年層をターゲットとするBtoCサービスや、採用ブランディング、IRなど、「自社がどう見られているか」が重要な領域で活用いただいています。

