あえて商品名を伏せ「待望感」を最大化させた発売前のティザー施策
MarkeZine:YouTuber1人に依頼したというUGCのティザー施策について、具体的な内容を教えてください。
川上:「花王からすごい技術が開発されたらしい」と、あえて商品名を全く出さずに「成分や技術」だけを解説するコンテンツを作成してもらいました。
MarkeZine:商品名を伏せるとは、大胆な施策ですね。技術とTHE ANSWERとの紐づけはどのように図ったのでしょうか?
川上:実際に商品が発売された後、そこまで期間を空けずに同じYouTuberとタイアップを実施しました。その動画内でも「(ティザー時に解説した)技術」と「商品」を紐づけるような表現はしていません。しかし、「この前投稿していた“花王のすごい技術”ってこれですよね!」といったコメントが多数寄せられており、視聴者の中で自然と伏線は回収されていましたね。
発売前に実施した唯一のUGC施策でしたが、美容領域に詳しく・権威や信頼性のある方にお任せしたからこそ、「お墨付き感」「待望感」を最大化させることができたと思っています。
MarkeZine:なるほど。ティザーではPGC施策も実施されていたのでしょうか?
君島:はい。SNSでティザー用アカウントを作成の上、プレゼントキャンペーンを実施しました。アカウント名は「Shampoo_A」。ここでも花王100年の研究からたどり着いた、新シャンプーとだけ触れ、商品名は明かしていません。加えて、東急プラザ原宿「ハラカド」でのリアルイベントや商品名を伏せた「調査員募集」などを行い、リアルとデジタルで体験機会を創出していきました。
MarkeZine:ここまで商品を明かさずに展開すると、発売されただけでも話題になりそうですが、反響はいかがでしたか?
君島:ええ、ティザーの段階で待望感を最大限高めていたからこそ、狙い通り「これだったんだ!」というSNSの発話が連鎖的に生まれました。また、初速のインストア売上も大きく伸び、購買の面でも好調なスタートを切る結果となっています。

UGCの反響を参考にPGCとUGCをブラッシュアップ。両輪で回すPDCAの実践例
MarkeZine:発売後は、徐々に層を拡大する形でインフルエンサーへタイアップを依頼していったのでしょうか。
川上:はい。ですが、THE ANSWERではフェーズに応じたコミュニケーションを特に意識しており、多少起用するカテゴリーの幅は広げていますが、タイアップを依頼するインフルエンサーの数は絞っています。美容高感度層の中でも成分や技術の説明力に長けた方や、ブランドのトンマナで重視している「青の感情」に合う方を厳選してきました。現在も話題感や発話が途切れないよう、タイアップ施策を継続しながら、人選やコンテンツのPDCAを回しています。
MarkeZine:THE ANSWERは機能性だけでなく、「塗り洗い」という新しい洗髪方法でも注目を集めています。この新習慣にUGCが果たした役割はありましたか?
君島:大いにありました。「塗り洗い」にスポットライトを当ててUGCを作成してくださる方が想定よりも多く、生活者視点で響くポイントなのだと実感しましたね。「生活者にとって“手間”なのでは」と懸念していたところを、いい意味で裏切られました。メーカーではなく第三者が発信するからこそ、「塗り洗いという体験価値」が伝わりやすかったのでしょう。なお、これらのUGCで得たヒントはPGCにも反映させています。
MarkeZine:どのように反映しているのでしょうか?
君島:従来PGCではHow to寄りの表現をしていましたが、UGCの反響を見て、泡の質感や音、直感的な心地よさを伝える方向性でのクリエイティブを強化しました。
川上:一方で口コミを分析してみると、「塗り洗い」の方法が正しく伝わっておらず、ネガティブな発話が生まれてしまっているケースもありました。対策として、「塗り洗いの前に予洗いが必要」「塗ったあと泡立てが必要」など、商品の使い方をよりわかりやすく伝える訴求を追加しています。
このようにリアルなお客様の声を日々ウォッチしながら、PGC・UGCともにブラッシュアップを重ねていけるのが、スクラム体制を導入したTHE ANSWERチームの強みです。

