信頼性の高い計測環境をいかに構築するか?サイバーエージェントの事例に学ぶ
では、家門氏らは、どのようにしてアプリ広告の効果をより適切に計測しようとしたのか。セッションでは、サイバーエージェントの子会社であるApplibotで実施した取り組みが紹介された。まずは、アプリ広告の計測が問題であることから、LPを挟んで計測するフローに変更。これにより、どの媒体やネットワークも同じ評価基準で比較し、最適化することが可能となった。

LPを挟むことで導線が増えるため、当初は「コンバージョンが落ちるのではないか」との懸念も挙げられた。しかし、ハックされた広告効果によって実態と乖離した配信を続けるほうが不適切と家門氏は考えた。実際に、通常配信と比較して大きく変わらなかったことから、その有効性も示された。
同社ではLPに加えて、iOSアプリを配信するApp Store Connectの分析ツール「App Analytics」の数値を指標にしている。正確なインストール数がわかることから、直接効果を計測できるのだ。
さらに、どのようなキーワードでストア検索されダウンロードに至ったかがわかり、間接効果も把握できる。それらの数値とどの媒体に広告配信をした時の結果なのかを掛け合わせることで、媒体の特徴も見えてくる。

3つの手法を組み合わせ、広告効果を計測
とはいえ、App Analyticsだけでは間接効果を定量化するのは難しい。そこで、MMMと検証機能を組み合わせた評価プラットフォーム「MetricWorks」を活用。実際にどのようなことができるのか、MetricWorks Japanの神田氏が解説した。

MetricWorksでは、統計学を用いたMMMでインクリメンタリティを計測。配信量やコスト、アプリのKPI、App Storeでのダウンロード数など、過去1年分のデータを入れるとグラフが示される。その中で相関性のあるものに評価を割り戻すというモデルになっており、間接効果も評価できる点が強みだ。

「MMMは、人力でできないことはありませんが、専門的なナレッジや膨大な工数が必要となります。MetricWorksを使うことで、評価・分析作業における工数の大幅な削減になり、分析作業が属人化するリスクも避けられます」(神田氏)
家門氏も、「MetricWorksを導入したことで、一瞬でデータ抽出などができた」と語る。加えて、App Storeと違って詳細なデータが見られないGoogle Playの分析ができる点も、MetricWorksのメリットだという。
Applibotの事例では、LPを挟んだ配信でメニュー間での計測条件を統一した結果の確認、アプリストア Analyticsのデータの確認、MetricWorksによるインクリメンタリティ分析による結果の確認の3手法を組み合わせて評価するチャレンジの話がされ、その結果に手応えを感じているという。神田氏と家門氏は、一つの計測手法だけで判断せず、様々なトライを続けていくことが大切だと述べた。また家門氏は、マーケターとして外部のツールの結果を信用しすぎず、まずは内部にある一次データを大事にすべきだとした。

