Z世代の「トレンド」に思いっきり合わせる
1つ目のカテゴリーは、Z世代のトレンドに徹底的に合わせた広告です。SNSを通じて、日々膨大なトレンド情報に触れているZ世代。その移り変わりは非常に速いものです。だからこそ、企業が「今まさに流行っているもの」を正確に捉え、タイムリーに取り入れた広告は「自分たちのことをわかってくれている」という強い共感を生みます。ここでは4つの要素をご紹介します。
TikTok日常馴染ませ商材
TikTokでよく見る日常動画の中に、違和感なく商材を溶け込ませる手法です。Vlog形式で始まったのにも関わらず、「長尺な説明」「ビジュアルの統一感のなさ」「不自然なPR商材の画像の挿入」といった不自然な要素によって明らかなPRだと察知すると、興ざめしてしまいます。どこがPR部分なのか判別できないほど自然に馴染ませることや、インフルエンサーの他の通常投稿の形式を踏襲し、PR投稿だけ浮かないようにすることがポイントです。
@gomikare_jd
「ゴミ彼氏と暮らす女子大生」というアカウントによるマッチングアプリのPR。彼氏との日常を描く動画の中で、「これはNewMatchで仲良くなった友達もサブ垢でおすすめしててずっとやりたかったんだよね」と一言触れるのみ。PR感を極限まで抑えながらも、ハッシュタグにはしっかり「PR」と明記しステマには該当しない設計になっている。
本人登場ミーム
ネットミームに元ネタの本人を登場させてしまう、企業のユーモアに好感を抱くパターンです。SNS上で広まるミームの多くは、本人が意図しないところでネタ化されたもの。そこに本人が公式で乗っかる斬新さが、Z世代の心をつかみます。
Netflixのオーディション番組で菊池風磨が発言した「歌詞忘れてるようじゃ無理か」が、ネットミーム化。ボールドは公式のTikTokアカウントで、菊池風磨本人がこの構文を用いる動画を公開した。
商材引き立てホラー
今、Z世代の間ではホラーブームが起きています。近年、日常の共感をテーマにした「いい人すぎるよ展」や、異なる世代の視点を体験する「老いパーク」といった、体験重視の展示会が人気を集めました。そこに、「行方不明展」を代表とするホラーを楽しむ展示が登場。新鮮なスリルを求めるZ世代に受け入れられ、ホラーブームのきっかけとなりました。ホラー要素を取り入れて商材を引き立てることで、新鮮な驚きと話題性を生むことができます。
花王は掃除用品「マジックリン」「クイックル」が登場する3D探索型ホラーアクションゲームを制作し、無料で配信。ホラーの世界から脱出するための道具として商材を扱うことで、商材が「救世主」のように感じられる構成になっている。
炎上覚悟近寄り好感
批判のリスクを恐れず、Z世代のカルチャーに踏み込む姿勢が評価されるパターンです。多くの企業が無難な表現にとどまる中、「攻めている」姿勢こそが差別化になります。ポイントは、炎上しているけれど一部のZ世代には支持されている事例を活用することです。
たとえば、ホストクラブの宣伝を模したアドトラック。『愛のハイエナ(ABEMAホスト密着型バラエティ番組)』や、夜職のインフルエンサー(ひめか、きほ、など)によって、夜職の世界がZ世代にとって身近になり、アンダーグラウンドなイメージが払拭されてきていることを背景に、好意的なネタとして昇華されています。
【事例】カネカ「株式会社グミは日本を救う」(ラッピングバス)
上田竜也が架空の会社の社長に就任し、ホストの宣伝カーを彷彿とさせるデザインのアドトラックを展開。夜職の世界がABEMAの番組などでZ世代に身近になっていることを踏まえた、攻めた施策。
画像提供=加藤誠也
