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「OOHは比較できない」を過去のものに。3月始動の「統一指標」が拓く、メディア設計の新基準

業界の縦割りを打破した「OOH Tokyo Conference」開催の舞台裏

MZ:そうした縦割りの壁を壊すきっかけとなったのが、2025年2月に日本で初めて開催された「OOH Tokyo Conference 2025 with WOO」ですね。オリコムが事務局を務められたと伺いましたが、開催の経緯をお聞かせください。

山本:私自身、海外のWOOに参加する中で、日本から参加していた、普段は競合関係にある広告会社や、交通広告や屋外広告・ビジョンなどのOOH事業者などの方々と顔を合わせる機会が増えていました。そこで「日本でも業界横断的にOOHを語る場が必要ではないか」という想いが共有されるようになったのが出発点です。

 日本のOOH市場は世界第3位の規模を誇りますが、変わっていくためには、WOOというグローバルの潮流を味方につけて、海外の価値観を取り入れることが有効だと考えました。そこでWOO側に「日本のポテンシャルと、オリコムが間に入る意義」を伝え、共催(with WOO)という形での開催にこぎつけました。

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「OOH Tokyo Conference 2025 with WOO」開催の様子

MZ:競合各社を巻き込んでの開催には、ご苦労もあったのではないでしょうか?

山本:準備期間が1ヵ月半しかなかったので、社内的にも承認を得るのが大変でしたが(笑)、各社のキーパーソンと直接対話を重ねながら、開催の意義を共有していきました。

 ただ、タイミングとして「業界を変えなければならない」という気運が高まっていたのは確かです。既にメジャメントに関するプロジェクトも水面下で動き出しており、課題感が共有されていたため、多くの企業から賛同を得ることができました。

 結果として、企業の垣根を越えた対話が生まれ、メジャメントという「共通の物差し」を巡る議論が一気に加速しました。

「日本OOHメジャメント協会」設立とアカウンタビリティへの回答

MZ:その流れを受け、2025年9月には「一般社団法人 日本OOHメジャメント協会(JOAA)」が設立されました。この組織が設立された目的と、オリコムが創設メンバーとして参画された意図を教えてください。

山本:最大のきっかけは、コロナ禍でした。街から人が消えているのに、OOHの価格は変わらない。これに対し、広告主様から「本当に見られているのか?」「なぜ価格が下がらないのか?」という厳しい声をいただきました。

 携帯電話キャリアなどの基地局位置統計データによってリアルタイムの人流が見えるようになったことで、従来のカウンター調査や改札データに基づいたサーキュレーションデータとのギャップが露呈してしまったのです。

 広告主様へのアカウンタビリティを果たすためには、納得感のある新たな指標が不可欠です。JOAAは、OOHの価値を取り戻し、V字回復させるための「答え」として設立されました。

MZ:競合も名を連ねていますが、どのように合意形成を図っていったのでしょうか?

山本:まずは競争よりも「協調領域」として市場全体のパイを広げようという合意がありました。WOOでは、OOHのシェアが世界的に広告費全体の約5%前後で頭打ちになりやすい構造的な課題を「5%シンドローム」と呼ぶことがあります。これは成熟の証ではなく、むしろ成長を阻む“見えない壁”とも言えるものです。

 日本は現在約6%で推移していますが、多くの国で5%前後が一つの天井となってきた一方で、メジャメントを導入した市場では、その壁を越え、7%、さらには10%へとシェアを伸ばしている事例も出てきています。つまり、シェア拡大の分岐点は、他メディアと同じ土俵で比較・説明できる環境が整っているかどうかにあると考えています。

 共通の物差しを持つことが、日本のOOH市場を次の成長フェーズへ押し上げる鍵になるという確信が各社の協力体制を支えています。

次のページ
いよいよ3月に提供開始。「新指標」でプランニングはどう変わる?

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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:株式会社オリコム

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2026/03/09 10:00 https://markezine.jp/article/detail/50339

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