ソーシャルファーストの3つの柱と、コミュニティの熱量を捉える仕掛け
前納氏によると、ソーシャルファースト戦略を実現するためには、「アルゴリズム」「コミュニティ」「カルチャー」という3つの重要ポイントを理解する必要があるという。
まずは、プラットフォームごとの「アルゴリズム」を把握すること。その上で、オンライン上に無数に存在する「コミュニティ」と、そこで消費される「カルチャー」を深く理解し、文脈ごとにコンテンツを発信していく。
「1人の消費者が1つのコミュニティに属するのではなく、興味関心に沿って複数のコミュニティを行き来しているのが現代の消費者の姿です。だからこそ、マスに向けて一律のアセットを投下するのではなく、小さなコミュニティ、いわゆる『界隈』ごとに、それぞれに合ったコンテンツを作り分けて発信していく必要があります。界隈に合わせてコンテンツを最適化しつつ、全体としてビジネスの規模を拡大させていく。これが、ソーシャルファーストにおける最大の変革ポイントです」(前納氏)
高単価・低予算の逆境をどう打破したか
では、「ダヴ ふわとろクリーミースクラブ」において、同社はどのようにソーシャルファースト戦略を進めていったのか。
前納氏は、「ソーシャルファースト戦略に振り切るのには覚悟が必要でした」と当時を振り返る。ダヴ自体、テレビCMを活用して発展してきたブランドであったため、「売上を考えると、CMはやめられない」という状況だった。一方で、「マス広告だけを展開してもブランド認知・売上が上がらない」ということはファクトとして見えてきており、その意味では打破する一手を必要としていた。
ソーシャルファースト戦略への挑戦となった今回は、新商品であるスクラブがどこまで売れるかわからなかったこと、広告予算がついていない商品だったこと、高単価な価格帯のプロモーション経験がないこともあり、いきなりマス層へ訴求するのではなく、まずは「美容感度の高い人」の中で流行らせ、マスに広げていくという方針が決まったという。
「テスト販売を実施して反応を見つつ、美容感度の高い人のなかでこの商品を流行らせること、そしてPDCAを迅速化して効率を徹底的に上げることを目指しました。特に高単価製品のプロモーションにおいては、トレンドセッターとなるインフルエンサーの力を借りて、多くのユーザーに拡大させていく戦略がとても重要になります。その波をいかに速く起こせるかということで、PDCAの迅速化を目指し、ソーシャルの波に乗ることにしました」(前納氏)
