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生成AIは「仕事の前提」へ。利用率6割のマーケティング現場から見えた、効率化の先にある「次の一手」

生成AIを利用する4職種のビジネス工程とその成果

 4職種の業務プロセスの各工程で、どの程度生成AIが浸透しているかを調査した結果、生成AIの利用が多い工程は「情報収集」「文書の要約・翻訳」「議事録作成」の順となった(図表4)。 

【図表4】職種別に見た生成AIが利用されている工程
マーケティング・商品企画:n=491、経営・経営企画:n=357、技術・研究・開発:n=429、営業推進/企画・広報・宣伝:n=426 (21の選択肢のうち本調査対象者合計の上位15位までを掲載)
ベース:ビジネスで生成AIを利用している
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 職種別の特徴を見ると、「経営・経営企画」職では「議事録作成」が他職種より約5ポイント高く、「マーケティング・商品企画」職では「アイデア出し」が他職種と比較し約10ポイント高い。また、「技術・研究・開発」職では「プログラミング」が同じく約10ポイント高い結果となった。

 やはり、各職種にて特に業務ウェイトが高いと思われる工程で、生成AI利用が多い結果となった。業務の効率化やサポートのために、生成AIが利用されていると思われる。

 次に、各職種で業務ウェイトが高いと考えられるビジネス工程について、AI活用が成果につながっているかを工程別に確認した。生成AI利用者が、各工程における成果実感を5段階で評価した結果をまとめたのが図表5である。

【図表5】生成AI利用に工程別のビジネス成果実感
メール文書の作成:n=504、プログラミング:n=161、文書の要約・翻訳:n=739、情報収集:n=882、アイデア出し:n=475、議事録作成:n=613、競合分析:n=101、企画作成:n=147、プレゼン資料作成:n=360、データ分析:n=261、デザイン作成支援:n=87(21の選択肢のうち本調査対象者合計の上位11位までを掲載)
ベース:ビジネスで生成AIを利用している
(クリックすると拡大します)

 成果実感をTOP2(「成果が出ている」「多少成果が出ている」の合計)で見ると、最も高かったのは「メール文書の作成」で90.5%であった。続いて「プログラミング」が89.5%、「文書の要約・翻訳」が89.0%となった。

 生成AIの利用が急速に広がっている背景には、ビジネスの複数の工程で利用者が成果を実感し、他の業務プロセスへも活用範囲を広げていこうとする姿勢があると推察される。

同僚に推奨したいAI活用工程とその理由

 前章では、生成AIの活用に関する高い成果実感を確認した。次に、その実感を踏まえ、「各工程を同僚にどの程度推奨したいか」をNPSの11段階で確認し得点化した。

 上位は、「文書の要約・翻訳」(5.3)、「メール文書の作成」(4.2)、「プログラミング」(0.6)、「議事録作成」(-4.1)、「キャッチコピーの検討」(-6.2)となった。いずれも前章にて高い成果を実感している工程であった。

 続いて、「推奨する理由」を尋ねたところ、図表6のような結果が得られた。

【図表6】同僚への生成AIの推奨理由
マーケティング・商品企画:n=460、経営・経営企画:n=323、技術・研究・開発:n=384、営業推進/企画・広報・宣伝:n=379
ベース:いずれかの工程で推奨意向が(4点~10点)
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 推奨理由の全体傾向としては、1位「業務の効率化」、2位「作業時間の短縮」と、生産性の向上に関わるものが上位に挙がった。職種別に見ると、「マーケティング・商品企画」職では「新しいアイデアが得られる」(36.1%)、「壁打ち相手になる」(30.0%)が他職種と比較して高い結果となった。 生成AIを「思考のパートナー」として企画立案のプロセスに組み込もうとする姿勢が見られた。

生成AI利用時の困りごと

 ここまで、生成AIの利用頻度や成果実感、チームでの利活用実態を見てきた。一方で、生成AIを活用するうえでは、回答の正確性やセキュリティ面など、ビジネス利用におけるリスク管理にも目を向ける必要がある。

 実際、4職種のビジネスパーソンは、生成AIサービス利用時にどのような「困りごと」を抱えているのだろうか。「職種別」では大きな差異は見られなかったが、「年代別」に整理すると、ビジネス現場が直面している課題が浮き彫りになった(図表7)。

【図表7】生成AIサービス利用時の困りごと
20~29歳:n=173、30~39歳:n=572、40~49歳:n=395、50~59歳:n=583
(クリックすると拡大します)

 困りごとの全体傾向として、「事実と異なる回答が出る」「機密・個人情報の漏えいが不安」「出典・根拠が不明確」といった、AIの信頼性やセキュリティに関する項目が上位を占めた。

 年代別に見ると、40~49歳において、他世代に比べて回答割合が高い項目がいくつか見受けられた。「有効なプロンプトが作れない」(21.5%)、「入力してよい情報の範囲がわからない」(19.5%)、「進化が早く、キャッチアップが追いつかない」(13.2%)といった点だ。40代のビジネスパーソンが、実務レベルでの「使いこなし」に特有の壁を感じている実態がうかがえる

 これらの結果は、活用が進むほど「プロンプト作成スキル」や「入力情報の判断」といった、現場レベルの課題が顕在化することを示唆している。生成AIサービスは日々進化しているが、利用者個人の工夫・対応に委ねるだけでなく、社内で共通利用できる「専用プロンプト」の整備や「入力してよい業務情報範囲」のルール作りなど、運用面の整備が不可欠と言えるだろう。

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今後の生成AIとの付き合い方と変化

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この記事の著者

濱 賢太郎(ハマ ケンタロウ)

株式会社インテージ マーケティングパートナー第2本部 営業推進部 未来共創センター長

大学卒業後家電メーカーへ就職、ワープロ、FAX、携帯電話、通信映像端末、太陽光発電の商品企画を担当。2013年株式会社インテージに入社し、国内外の生活者リサーチ、コンサルティングに従事。2017年「未来共創センター」を設立。企...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2026/04/21 07:00 https://markezine.jp/article/detail/50632

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