予算増減・企業規模で見る課題の構造
予算が減った組織の4割が「評価指標がない」
先述のような分断、すなわち「壁」を見過ごしていると、組織は「評価指標がない」という深刻な事態に直面します。マーケティング組織が直面している課題についての設問では、予算が減少したグループは「(貢献度を正しく)評価する指標がない」が40%と突出して高く、予算横ばいグループの27%を13ポイントも上回りました。
「経営層の理解が乏しく予算難」も予算減少グループが31%と、横ばいグループの17%より14ポイントも高くなっています(図5)。
指標がなければ成果を説明できず、予算が削られるという悪循環が数字に表れているのです。興味深いのは、予算が増加したグループでも「経営理解が乏しい」が27%と高い点です。これは、積極的な投資を試みるほど経営との対話が必要になり、その結果の“成長痛”とも読み解けます。
中小企業ほど「壁」を感じているパラドックス
マーケティング組織が直面している課題を企業規模別で見ると、また異なる景色が現れます。中小企業層では「経営層の理解が乏しく予算難(31%)」や「失敗を恐れる文化がある(26%)」が高い結果となり、中堅企業と11~12ポイントの開きがありました(図6)。
経営層との距離が近いはずの中小企業ほど壁を感じているのは、一見パラドックスのようです。しかし、評価制度やKPI設計の仕組みの整備がこれからである中小企業ほど、経営との距離が近いがゆえに、「言語化しなくても分かるだろう」という曖昧さが生じ、大きな認識の壁となっているのでしょう。
