家庭のインターネット接続環境の高速化
今年で6回目となる「小学生のインターネット利用に関する調査」では、小学生の子どもを持つ保護者を対象アンケートが行われ、8,818名から有効回答を得た。
子どもがいる家庭でのインターネット環境は高速化しており、「光回線を利用している」との回答が2007年の前回調査の38.8%から47.1%にまで上昇。その分、ADSLは減少したものの、全体的に見ると97.9%の家庭がなんらかのブロードバンド回線を利用している。
子どもがインターネットを利用する環境では、有害サイトへのアクセス制限対策や、利用についてのルールを定めるなどの配慮が必要となる。今回調査でのフィルタリング機能の認知度は、前回の75.5%を上回る87.7%で、実際に利用している割合も16.7%から20.8%へと増加している。また、インターネットを利用するためのルールを設けている家庭の割合も、前回の62.2%から74.1%に増加。ルールの内容で最も多かったのは「接続時間」で、3割以上の家庭が接続時間についての取り決めがあることがわかった。
子どものネット利用は「Web閲覧」から「ゲーム」へ
インターネットの接続環境が向上する一方で、子どものインターネット利用目的も変化を見せている。前回の調査では5割近くの回答を得た「Webサイトの閲覧(ネットサーフィン)」が前回の45.4%から24.2%と大幅に減少。その一方で「ゲーム」や(61.9%)、「検索(勉強や宿題のため)」(51.9%)は前回と比較して伸びをみせている。
また、子どものインターネット利用時間は、「週に2時間未満」が66.4%から79.5%と大幅に増加し、逆に「週に2時間以上」は33.8%から20.5%へと大幅に減少し、利用時間は減少傾向にある。前回調査に比べ最も増えたのは「週に30分~1時間未満」の利用層で全体の約3割を占めた。
小学生の5人に1人が携帯・PHSからインターネットを利用
また、子どもの携帯・PHS利用に注目すると、携帯・PHSを所有する小学生のうち、携帯・PHSからインターネットを利用している子どもは21.2%。そのうち62.8%は、携帯各社が提供しているウェブ利用制限などの利用制限機能(サービス)を導入していた。
また、携帯の利用について何らかのルールがある家庭は8割に達しており、パソコンでの利用ルールでは「接続時間」が最も多かったのに対して、携帯では「通話やメールの通信相手について」が最も多く、約5割の家庭で、コミュニケーションをとる相手に対して制限を行っていることがわかった。
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