「企業からお金をもらって書いた、知らない人のオススメ商品(サービス)を信用しますか?」。この質問に対して「いいえ」と答えた人が86.7%にも上った。ネット世代の消費者はシビアだ。マーケティングPR会社のビルコム株式会社が20代以上の全国男女400名を対象にインターネットで実施した「企業とブロガーの関係」に関する調査を発表した(調査期間は2007年2月5日~7日)。
調査では、「企業がブロガーに、プレスリリースなどで積極的に情報開示することについて、どう思いますか?」という問いに対して72.0%が「賛成」と答えている。「賛成」の理由としては「企業の最新情報を知ることができるから」が1位で79.5%だった。「反対」の理由としては「良い情報しか開示しないことが多く、信用できないから」が最も多く、74.1%。
また、企業がブロガーに、宣伝のためお金を渡す行為については、44.5%が「反対」。「賛成」と回答した人は55.5%だった。「反対」の理由としては「お金をもらってブログを書いたのか、本当に書き手が良いと思ったのかがわからず読者の混乱を招くから」が1位で79.8%。一方、「賛成」の理由としては「企業のために書いた記事の報酬を受け取るのは当然だから」が1位で68.0%だった。
企業が自社商品(サービス)のオススメを書いてもらうため、ブロガーにお金を払う場合があることを「知らない」と答えた人も58.7%と過半数を超えた。ここでこの事実を「知っている」と回答した人に、「企業からお金をもらって書いている友人・知人のオススメ商品(サービス)を信用しますか?」と尋ねたところ、「信用しない」と回答した人は63.0%で、6割の人が友人・知人であっても信用しないことがわかった。
さらに友人・知人ではなく、「企業からお金をもらって書いている知らない人のオススメ商品(サービス)を信用しますか?」という問いに対しては、86.7%の人が「信用しない」と回答しており、友人・知人のブログに比べて、より信用しない傾向にあることもわかった。
ブログによる口コミは、近年企業にとって重要な広告に成長したが、その一方で、お金をもらってオススメ商品情報を載せたブログに対しては、冷ややかな視線が向けられていることが今回の調査でわかった。まだ企業がブロガーにお金を払うことがあるという事実を知らないという人も、調査結果では半数を超えており、今後この事実が周知となるにつれて、ブロガーと企業の関係がどのように変化していくか、興味のあるところだ。
プレスリリース:「企業とブロガーの関係」(PDF)