ますます高まる「レコメンデーション」への期待
Webサイトは重要な顧客接点の一つであり、その重要性はますます高まっています。Webサイトのアクセスログデータは、顧客との関係性を検証できる、インタラクティブなデータだといえます。
最近では、単なるアクセスログデータの解析だけではなく、顧客データベース、購入履歴データベース等と連携したレポーティングシステム開発、分析ソリューションなどを展開されているお客様も多いことかと思います。
しかしながら、アクセスログをいかに多様に、集計、レポーティング、分析、予測(データマイニングなどの手法による)を実施したとしても、次にどうアクションするか? どうやって対象となる顧客へアプローチしていくか? が大きな課題として残ります。せっかくデータを予測・分析したとしても、結果を実行に移さなければ、なんら意味は無いのです。
アクセスログを用いて顧客の行動を捉え、的確にアクションに移していくためには、従来のアクセスログ解析ではなく、よりミクロの視点でWebサイトを分析し、サイト訪問者一人一人を「個」客として捉えることが必要です。このようなOne 2 Oneのコミュニケーションを展開することが、Webサイトの価値を最大限に向上させるのではないかと考えております。
ブレインパッドでは、ミクロの視点でWebサイトを分析する「データマイニング分析サービス」の他、ASPサービスで手軽に導入できる、ルールベース・レコメンデーションシステム「Rtoaster」によって、Webサイトにおける「個」客を対象にしたWebサイトの価値を高めるPDCサイクルの構築をご支援しております。
レコメンデーションは新しい考え方ではなく、以前から行なわれてきた手法です。Webサイト訪問者が望んでいる(期待している)と考えられる商品・サービスなどの情報を、タイミングよく提示することで、商品・サービスの購入(契約)を促進させるための手法です。
レコメンデーションによって、訪問者の流入キーワードやサイト内での行動遷移に基づいて、訪問者が期待する、適切なサービス・商品・カテゴリに誘導していくことが可能です。単なる販売促進効果だけではなく、Webサイトのユーザビリティを向上させる効果もあります。
ただ、一概にレコメンデーションといっても、大きく分けて以下の2つの方式があります。
1. 「協調フィルタリング」等の統計的類似性を用いたアルゴリズムによるレコメンデーション
2. サイト訪問者のクリック行動から、事前に設定したルールからのレコメンデーション
上記の2つの方式は性質が全く異なるレコメンデーション方式であり、Webサイトの性質、運用体制などからお客様は適切に選択する必要があります。
ただ、Webサイト戦略には「物語性」が必要です。ペルソナ戦略では顧客像について物語を語るように多くの場面を想定して、生き生きとした像を作り上げることが大切である、といわれています。
「おすすめ商品」が表示されるだけでは顧客との関係性は強化されません。初めての訪問者に対してのメッセージと、リピーターに対してのメッセージは当然異なっているべきです。また、多くのコンテンツを利用してくれている常連客に対しては特別なオファー、キャンペーンなどを提示してみれば一層ロイヤリティが高まるはずです。
つまり、単なる商品案内(セールス)のレコメンデーションではない、サイト訪問者との関係を深化させるコミュニケーション・シナリオに沿ったWebサイト戦略が求められているのです。