アレクサのデータ提供者に偏りがある
アレクサの統計上の問題点を下記の3つのポイントに注目してお話をしていきます。
- 有名ブロガーによる問題提起
- サーバ側の統計とつきあわせたユーザ達
- 国(言語)単位でのデータ数増減の不均衡
オンラインゲームや携帯電話サイト、Windowsユーザ以外について測れないのは前回解説の通りですが、WindowsでInternet Explorerを使っているユーザであっても、必ずしも正確なデータが取れているとは限りません。アレクサに統計データを提供している人たちは、アレクサのツールバーをインストールしている人たちです。決してランダムに選ばれているわけではありません。それが問題となる場合があります。
アレクサのデータ提供者が何千人、あるいは何万人いるのかは非公開なのでわかりません。しかし、多いとはいってもインターネットの全ユーザからみれば微々たるもののはずです。
Googleの人気ブロガーによる検証例
実例をあげましょう。Googleの検索品質チームで働き、検索とSEOに関するブログで有名なMatt Cutts氏が、彼のサイトのAlexaトラフィックの異常さをブログで指摘した件は有名です。
Askといえば、日本でもAsk.jpを展開している検索エンジンです。グーグル、ヤフー、マイクロソフトLiveの三つには引き離されていますが、それでも世界4位のシェアを持つ検索エンジンで、数パーセントであってもユーザ数、アクセス数は膨大なはずです。
しかし、Matt Cutts氏は、彼のブログのAlexaトラフィックをAskのそれと比較し、Askの4分の1ものアクセスが彼のブログにあることになっているのを発見しました。
彼のブログは確かに人気ブログですが、ニュースやブログなどでの取り上げられ方や世の中の一般ネットユーザの認知度からいってもこの結果はありえません。
彼のブログを購読するような人のほとんどが、SEO業者やSEOに興味のある人で、そのような人たちはAlexaツールバーをインストールしている割合は、一般のネットユーザよりもはるかに高いはずです。そのために、Alexaのデータ上ではありえないほど大きなトラフィックがあるように見えてしまったのでしょう。
このブログに限らず、SEO関係の人気サイトやブログは、Alexaの統計では実際のアクセス数よりもかなり上位に出る傾向にあることが知られています。