マイクロソフトの目指す「知識検索」
マイクロソフトは次世代検索サービスへの第一歩として、2006年から提供している「MSN相談箱」(http://questionbox.jp.msn.com)と、国内最大級のQ&Aサイト「オウケイウェイヴ」との連携を強化し、より利便性の高い「知識検索」が可能なQ&Aサイトとしてリニューアルした。
マイクロソフト オンラインサービス事業部の笹本 裕 事業部長は、「検索はまだ幼年期にある」として、MSNが考える「次世代検索」の方向性について語った。現在、主流となっているキーワードによるウェブ検索では、関連性の高いウェブページへのリンクを検索結果として得られるものの、ユーザーはさらに自分のほしい情報を探さなければならない。マイクロソフトは、ユーザーが求める情報をそのまま提示できる「知識検索」としての検索サービスを目指すという。
マイクロソフトのプロダクトマネージメントグループの浅川 秀司 シニアディレクターは、日本におけるQ&Aサービスの状況に触れ、Q&Aサービスはまだまだ「悩み相談の場」として利用されることが多いと説明した。しかし、このCGMパワーを情報を探すための「知識検索」に活用することによって、ビル・ゲイツ会長が言うところの「URLではなく“アンサー”を返す」次世代検索サービスを実現することが可能になるとしている。
今回の「MSN相談箱」のリニューアルでは、検索キーワードランキングの設置、おすすめのQ&Aやトピックスの紹介など、さまざまなコンテンツ強化を行うほか、Live Searchから相談箱を検索したり、相談箱からLive Searchを検索するなど検索連動を強化。また、Windows Liveメッセンジャーで新エージェントの「相談ちゃん」を登録して、メッセンジャーから相談箱のQ&Aを検索することもできる。
これらのサービスは広告モデルで運営し、利用者に無償で提供する。今後は、知識検索として検索連動型広告を展開し、トップページやコンテンツページにディスプレイ広告を配信するほか、セグメント化やターゲティングを行った広告を展開する予定だという。
「MSN相談党」結成、人気モデルを起用したキャンペーンを展開
今回、「MSN相談箱」のリニューアルキャンペーンとして、人気モデルの押切もえを党首とする「MSN相談党」を結成。「あなたの知識で日本を変えよう」をスローガンに、党首から投げかけたテーマをもとに、一般ユーザーから意見募集や世論調査を行い、「相談党の提言」として発信していく。「相談党公認 最も役立つ知識」に選ばれた回答者には、党員グッズがプレゼントされる。このキャンペーンは、6月4日から8月31日まで行われる。
今回の人気モデルを起用したキャンペーンについては、男性やビジネスユーザーが多いMSNサービスを、女性にも利用してほしいというねらいがあるようだ。先日、巨人軍の野間口投手との熱愛報道があった押切もえに司会者が質問すると、おしのびで出かけた海外旅行で偶然にも原巨人軍監督と遭遇したエピソードを披露。会場に詰め掛けた報道陣から、さかんにフラッシュを浴びていた。
マイクロソフトと話題の人気モデルという組み合わせに、「ターゲットは女性なのか」という質問も出たが、検索エンジンを縦横無尽に使いこなす人たちだけでなく、「あんなふうにキレイになりたい」と共感を持つ女性や、熱愛報道に関心を示すさまざまな年代の人たちまで幅広く利用してほしいというマイクロソフトのねらいがうかがえる。そうした層に新サービスをどのように伝えていくのか。その答えのひとつが、今回の「MSN相談党」結成といえそうだ。
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