オーバーチュアの新広告システム「Panama(パナマ)」とは?
先日電通が明らかにしたように、4マスと呼ばれるテレビ、新聞、雑誌、ラジオの広告費が落ち込む中、インターネット広告費は躍進し、雑誌に肉薄した。企業におけるインターネット広告費は、減少傾向にある既存媒体を尻目に、高い成長をみせているのだ。中でも、ネットビジネスを中心とした「ロングテール」論の高まりや、その導入のしやすさで一気にインターネット広告の大きなポジションを占めるにいたったのが、検索連動型広告(リスティング広告)である。
たとえ導入はしていなくとも、「オーバーチュア(Overture)」の「スポンサードサーチ」や「グーグル」の「アドワーズ」といった言葉を聞いたことがある方は多いだろう。
もともと変化の激しい検索エンジン業界だが、去年から今年にかけ、検索エンジン大手の米Yahoo!は、大きな舵取りの局面を迎えている。
2006年から2007年にかけて、米Yahoo!の検索連動型広告「Yahoo! Search Marketing(日本ではオーバーチュアのスポンサードサーチ)」が大幅なシステム変更を実施した。新しいランキングシステムや新しいアカウント構造への変更、間接効果測定機能や地域ターゲティングの追加、管理画面の刷新など、単なるアップグレードではなく「進化」ともいえるような新しいシステムが導入されたのである。
コード名「Panama(パナマ)」と呼ばれていたこのプロジェクトは、ローンチ後も、旧システムと比較するためその名で呼ばれることも多い。
プロジェクトは2005年頃からスタートしていたと言われ、いくつかの噂が米国のブログや掲示板にて議論されていたが、米Yahoo!が実際にシステムの内容を公表したのは2006年8月のこと。同社は、サンホゼで行われたイベント「Search Engine Strategies Conference & Expo」にて、実際に管理画面を操作しながらその仕様を説明した。
その後米国では2006年の10月から新しいアカウントへのアップグレードが開始。 アルゴリズム以外の部分のアカウントが移行された。これと同時に新しいプラットフォームの情報を提供するブログやYahoo! Upgrade Centerも公開されている。次いで2007年2月5日に品質スコアを含めたアルゴリズムが導入され、品質スコアによる順位決定が開始された。
気になる日本でのローンチは、2007年第二四半期の予定だという。また、「Panama」の呼称はコードネームであり、正式名称は「新スポンサードサーチ」となるのではないかと言われている。