世界No.1の検索エンジンとマネタイズの仕組みAdWords
下図は、米国のインターネット視聴率調査会社ComScoreが2010年1月に公表したデータを基に作成した、2009年12月時点の世界の検索エンジンシェアのグラフだ。Googleは米国はもとより、世界で圧倒的No.1の地位を確立している。

検索を中心に、Googleは様々なサービスを無料で提供している。その仕組みを支えているのが、AdWordsの広告収入だ。「多くのユーザーに無料でサービスを利用してもらい、最終的に広告収入を得てビジネスとして帰結させる」という考え方は、これまでほぼ一貫している。下のグラフは、2005年以降の、同社の全売上に占める広告収入の構成比を示したグラフだ。ここ数年で、広告以外の収入の割合がわずかながらも高まってはいるが、2010年においても広告収入の割合は全体の約96%と、他を圧倒している。

Googleにおける広告ビジネスの基本
Googleの広告ビジネスは、対広告主向けの「AdWords」と、対サイト運営者向けの「Google AdSense(以下、AdSense)」という2つのサービスで構成されている。
AdWordsは、検索連動型広告をはじめとする様々なターゲティング広告をテキスト、画像、動画などの様々な広告素材で出稿できる広告プラットフォーム。一方、サイト運営者向けに「広告収入を獲得する機会を提供するサービス」として、提供されているのがAdSenseだ。

この2つのサービスにより、Googleは広告の買い手(広告主)と広告の売り手(サイト運営者)とを仲介し、広告流通を担っている。広告主はAdWordsで広告を出稿し、その広告は検索を中心にGoogleが運営する各種サービスや、AdSenseプログラムに参加する多数のサイトに配信される。AdSenseプログラムに参画するサイト運営者は、広告配信の実績(クリック数やインプレッション数)に応じてGoogleが広告主から得た広告収入の約6~7割を受け取り、残りの約3~4割が同社の収入となるシステムだ(参画方法によって比率は異なる)
以上が、Googleの広告ビジネスの基本的な仕組みだが、このようにGoogleは自社サイトで広告ビジネスを行う“媒体”という側面と、広告主と広告の掲載サイトとの間を取り持つ“広告会社”という2つ顔を持っている。
では、そうしたGoogleの広告ビジネスは、どのように発展してきたのだろうか? その経緯を振り返ってみよう。