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中国Webマーケティング最前線

中国版Twitter「Weibo」のビジネス利用動向と注目の新サービス ライトブログ「Qing」の概要

 この連載では、中国のWebマーケティングの最新情報や事例などを紹介していきます。第2回目、中国で最も勢いのあるサービス「Weibo(ウェイボー)」のビジネス利用の最新動向。そして、ネクストウェイボーと名高いライトブログ「Qing」を紹介します。

 前回は、中国版Twitter(マイクロブログ)とも言うべき「ウェイボー」の概要。その中でも最大規模を誇る「SINAウェイボー」の現状や、ユーザー目線での利用動向について解説しましたが、今回は企業がいかにウェイボーを活用しているかを紹介していきます。

企業アカウントを作るなら必須の「Vマーク」

 最近では偽iPhoneだけでなく偽アップルストアまで出現している中国は、コピー商品などの模倣商品が横行しているというイメージをお持ちの方も多いかもしれません。これは何も物品に限ったことではなく、インターネットの世界でも同様です。

 ウェイボーでは、タレントやアーティストなど有名人の偽アカウントが多く散見されます。例えば、日本のタレントAKB48の坂野友美さんには、約50個のなりすましアカウントが存在しています。タレントに限らず、著名企業のなりすましアカウントも多数存在しています。

 このような状況から、新浪(SINA)はなりすましアカウントの被害を防ぎ、利用者に安心して利用してもらえるよう著名人や企業アカウントの公式化を行っています。具体的には、認証基準を設けて本人確認を行い、公式アカウントであることを証明する「Vマーク」を発行しています。認証されると、アカウントのプロフィール欄に「Vマーク」が表示されます。

UNIQLO公式アカウントの赤枠で囲んだ部分が「Vマーク」
Vマークのない“なりすまし”らしきアカウントも多数存在する
UNIQLO公式アカウントの赤枠で囲んだ部分が「Vマーク」。Vマークのない“なりすまし”らしきアカウントも多数存在する

 このVマークがあることで、利用する企業や著名人はもちろんのこと、フォロワーや閲覧者がなりすましアカウントに混乱せずにすみます。企業利用の観点から考えるとVマークを取得することで、安心感や信頼を利用者に与えることができるでしょう。

 ここ数年、日本の有名企業や著名人の名前が、全く関係のない中国企業に勝手に商標登録されていたという話をよく聞きましたが、今後は商標登録だけでなくウェイボーのVマーク取得も併せて考えていかなくてはならないでしょう。

ウェイボーのビジネス活用事例:VANCL

 日本や欧米におけるTwitterと同様、中国においても企業は積極的にウェイボーを活用しています。その中でも、特にウェイボー活用に長けている企業の1つが「VANCL(凡客誠品)」です。

 VANCLは実店舗を持たないインターネット衣料品販売大手として中国では大変有名な企業です。低価格の衣料品販売を武器としていることや、製造から小売まで統合した垂直統合型の販売業態であることから、分かりやすく言えば“インターネット版のUNIQLO”と言っても良いでしょう。2007年10月の創立と、まだ若い企業ながら2010年度の売上が20億元(約250億円)に達しています。

 筆者が把握する限り、このVANCLはウェイボーアカウントを全部で6つ持っています。社内にはウェイボー運営を専門で行うチームも存在し、週末や昼夜問わずつぶやかれています。

 6つのアカウントはそれぞれ役割が異なっています。IRや業界情報などステークホルダー向けの企業アカウントのほか、カスタマーサービス向けのアカウント、VANCLの兄弟ブランドのアカウントなどもあり、それぞれ適切な役割を以って運営されています。

 その中で最もフォロワー数が多いのが、ファンアカウントです。2011年8月現在、31万人のフォロワーがいます。

 このファンアカウントでは、つぶやいたり、人のコメントを転送したり(リツイートと同じ)といったように、ごく一般的な使い方がされていますが、フォロワーに対して親切感があるように語りかける、一見VANCLと関係のないつぶやきを程よいバランスで混ぜているというのが特徴です。例えば、今人気のTVドラマのことやスタッフの笑い話、時には面白動画をアップするなど、VANCLに興味がなくとも、フォローするだけで楽しめる内容になっています。

VANCLの企業向けウェイボーアカウント
IR情報や業界情報を発信している
VANCLの企業向けウェイボーアカウント。IR情報や業界情報を発信している
ファン向けのウェイボーアカウント
こちらはユーザーとのコミュニケーションに主眼がおかれている
ファン向けのウェイボーアカウント。こちらはユーザーとのコミュニケーションに主眼がおかれている

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この記事の著者

矢作 嘉男(株式会社ハチワン)(ヤハギ ヨシオ(カブシキガイシャ ハチワン))

株式会社ハチワン代表取締役。New Jersey City University卒。 中国人観光客向けクーポンサイトなどインバウンド媒体を運営。 2011年、中国のインターネットプロモーション事業を行う北京博洛密網絡科技有限公司と提携し、中国向けプロモーション事業を開始。本当に成果の出る中国市場向けインターネットマーケティングのみをを提供し、インバウンド向けから中国現地進出向けまで数多くの実績を持つ。 プロモーションのご相談:info@813.co.jp

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2011/10/06 11:00 https://markezine.jp/article/detail/14356

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