第1回は 企業の採用活動における新しい武器「エンプロイヤ-ブランディング」、第2回は個人向けの「セルフブランディング」、第3回は今アメリカでもっとも注目を集める、つながりを活用した求職・採用活動「リファーラル」について解説しました。
最終回となる今回は、これまでの求職・採用活動を振り返りながら、ソーシャルリクルーティングへと本格移行する今の時期に、すべてのビジネスパーソンが意識すべき点をまとめ、今後のキャリア戦略がどうあるべきかを示したいと思います。
ソーシャルメディアの登場で大きく変わった求職・採用活動
突然ですが、この広告をご覧になったことはありますか?
今から43年前、昭和44年に掲載されたソニーの求人広告です。「ソニーのベンチャー的文化」や「世界進出への意気込み」を簡潔に表現しているとして、人材業界では伝説的なものです。
求人広告は、企業が情報発信し求職者が応募することで、「企業と求職者の出会いを作る」という役割を果たしていました。このリクルーティング方法は、2000年前後に紙媒体からインターネットに移行することで、情報量が増える、検索・閲覧性が向上するなど、企業・求職者双方にとっての利便性が向上しました。
しかし、「企業が一方的に発信した求人情報」を軸に求職者が仕事を探すというスタイルは変わりませんでした。
それが、2010年前後からのソーシャルメディア活用により、企業のみが発信するのではなく、「個人も自らを発信しアピールできる」時代、または「企業が簡単に個人の情報を様々なソーシャルメディアから収集できる」時代になったのです。