- 時期:2013年
- 国名:ロシア
- 企業/ブランド:メルセデス・ベンツ/Smart
- 業種:自動車
いいんですか? 乗っちゃって?
メルセデス・ベンツの小型車ブランド「Smart」が、モスクワで実施した奇抜な試乗キャンペーン。その名も、“The Unexpected Test Drive(予期せぬ試乗)”。
ロシアでは自動車の普及とともに、小型車から大型車へとトレンドが変遷してきました。特に、現在急激に経済力を増している中流階級の人々は、“大きくて高い”大型車を好む傾向にあるようです。その結果、道路を大型車がうめつくすような大渋滞や、駐車スペースの不足による違法駐車などを引き起こしています。
Smartが今回目指すのは、大型車のオーナーを対象に“2台目を所有するニーズに気付かせて、その際に小型車であるSmartを選択肢に入れてもらおう”というもの。とはいえ、“小型車の中の小型車”であるSmartの“小ささ”にマイナスイメージを持つ人が多い大型車のオーナーに、自ら試乗してもらうのは至難の業です。
そこで商品の魅力を最大限に実感してもらう“絶好の機会”として今回目をつけたのが、市民が「違法駐車」により警察に車をレッカー移動されてしまった現場です。
自分が駐車した場所に戻った大型車のオーナーが、停めたはずの車が無くなり困り果てています。そこに、Smartのキャンペーンスタッフが“救済手段”として試乗を申し出ます。
普段なら好んで選ぶことのない小型車も、困ったときの移動手段とあらば、喜んで試乗してもらえるというわけです。
3日間のキャンペーン期間中に40台のSmartを使用して、623人のレッカー移動された大型車のオーナーを“試乗”により助けたといいます。体験した人たちからは“感謝の声”がソーシャルメディアに数多く投稿されて、ニュースサイトでもこの試みが数多く記事化されて15万ドル相当のパブリシティを獲得。そして、400人もの試乗者にSmartの魅力を認めてもらうことができ、マイナスイメージから“ポジティブイメージに転換”させることに成功しました。
ターゲットのインサイトをとらえた秀逸な取り組み。巧い!
動画はコチラ
参考サイト
先週の紹介キャンペーン
記事転載元:AdGang