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ネット通販では今、お客様と出会いにくくなっている。
即注か引上げか、2つの売り方モデルを徹底比較

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2013/07/01 10:00

 日本を代表する通販会社がひしめく九州で、6月5~6日に開催された「アドテック九州」。九州通販のノウハウを知る3名の強者が登場したセッションから、ADKの武藤啓典氏による「売り方モデル」についての講演を紹介しよう。

九州通販を知る3名が登壇

 「アドテック九州」2日目に開催されたセッション「これが通販王国、九州が誇る最強ダイレクトマーケティング!」では、九州代表として、加藤公一レオ氏(売れるネット広告社 代表取締役社長)、武藤啓典氏(アサツーディ・ケイ九州支社 ICルーム統括プロデューサー)、モデレーター兼東京代表として西井敏恭氏(ドクターシーラボ マーケティング部 eコマースグループ グループ長)が登壇した。

加藤公一レオ氏、武藤啓典氏、西井敏恭氏

 冒頭でモデレーターの西井氏は、今回のセッションについて次のように説明した。「九州の通販はすごいと言われる。ではどのくらいすごいのかを調べてみたところ、単品通販企業の売上トップ20社の半分が九州だった。東京は7社、その他が3社ということを考えると、やはり九州は強いと感じる。このセッションでは、今日聞いて明日すぐ実践できることを、3人がプレゼンします」。

ワンステップとツーステップ 〜2つの売り方モデルを徹底比較〜

 トップバッターとして登壇した武藤啓典氏は、ADKでデジタルダイレクトマーケティングの立ち上げおよび運用を担当し、九州だけでなく全国各地で支援活動を行っている。武藤氏は「ダイレクトマーケティングの強みは売り方モデルにある。そのモデルはオンライン、オフライン問わず、大きく“ワンステップ”と“ツーステップ”に分けられる」と言う。

アサツーディ・ケイ九州支社 ICルーム統括プロデューサー 武藤啓典氏
アサツーディ・ケイ九州支社
ICルーム統括プロデューサー 武藤啓典氏

ワンステップ・マーケティング

 ワンステップ・マーケティングは、初回接触時にいきなり商品(本品)をセールスする。その分、ハードルが高く、購入不安がすべて取り除かれないと購入には至らない。しかし、購入客の商品への関心は高く、今すぐその商品を買いたいという場合、関連商品などがクロスセルされる確率が高く、客単価が高くなる傾向がある。その一方で、短期間でなかなか母数がとれないモデルであるとも言える。

ツーステップ・マーケティング

 ツーステップ・マーケティングはいきなり商品を売るのではなく、まずは見込み客を集めるところからスタートする。その後ステップメール(あらかじめ設定されたスケジュールのもと、見込み客に段階ごとにメールを配信すること)を送りながら、本商品を購入してもらう。購入不安が多少あっても低価格の商品であれば気軽にサンプルを試してもらい、それによって購入不安が取り除かれることも多い。見込み客リストを短期間に一定の規模でとれるので、そのリストによってその後のコミュニケーションが可能になる。ただし、フォローのコミュニケーションに非常にカロリーがかかるモデルとも言える。

 2009年に刊行された書籍『FREE〈無料〉からお金を生みだす新戦略 』( クリス・アンダーソン著、日本放送出版協会)で脚光をあびた「フリーミアム」も実はツーステップ・マーケティング。通販だけでなく、こうした無料モデルが私たちの生活の中に多く入ってきていると武藤氏は言う。

なぜ九州はツーステップ・マーケティングが多いのか

 続いて、武藤氏は「なぜ九州はツーステップ・マーケティングが多いのか」について、3つの理由を挙げた。

1. スモールスタートが可能

 広告主の視点からテレビとネットを比較すると、ネットのほうがハードルが低い。売上規模、会社の信用など、テレビ局は業態考査が厳しく、簡単には全国ネットのテレビでCMを放映することはできない。一方、ネットはリスティング広告、アフィリエイト広告でスモールスタートが可能となる。

2. ブランド力に左右されにくい

 無料や低価格のモデルではブランド認知が低くても、また多少商品に対する不安があっても、ネットでお得な情報を収集したい、失敗したくないという顧客心理とマッチする。

3. ノウハウをすでに持っている

 ツーステップモデルはカロリーがかかるが、九州の企業はすでにノウハウを持っている。オフラインでの実績があり、それを横展開してやってきた強みがあるからだ。


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連載:東京とは一味違う! 「アドテック九州」レポート

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