米広告業界団体IABは3日、「OpenDirect 1.0」をリリースし、パブリックコメントの募集を開始した。これは、パブリッシャーが、プログラマティックダイレクトによるプレミアムな予約型広告在庫のバイイングをサポートするために実装すべきAPIについて記述したもの。仕様は100ページほどのWordファイルにまとめられ、GitHubで公開されている。
パブリッシャーにとってのメリットは以下のとおり。
・増大するワークフローの効率性向上
・パッケージング、プライシング、在庫配信におけるより大きなコントロール
・予約型在庫の自動化のための信頼できる手法
OpenDirect 1.0はJSON(※1)をサポートするRESTful API(※2)で、ユーザー認証のためにOAuth(※3)を用いている。その主な機能は、広告製品の在庫の取得と検索、プライシングとアベイラビリティの決定、ターゲティングとフリクエンシーの制限の適用、注文の作成、注文に対するline(※4)の追加、クリエイティブのアップロード、クリエイティブのlineへのアサイン、在庫の確保と予約などが含まれる。
パブリックコメントの募集は2014年12月3日まで。その後はIAB Digital Advertising Automation Task Forceがコメントを評価し、改訂を行い最終版をリリースする。フィードバックはGitHubのリポジトリを通じて受け付ける。
※1 JSONは、JavaScript Object Notationの略。JavaScriptプログラミング言語の一部をベースに作られている軽量のデータ交換フォーマット。
※2 RESTは、Representational State Transferの略。ウェブのような分散ハイパーメディアシステムのためのソフトウェアアーキテクチャのスタイルのひとつ。REST原則に従うシステムは、しばしばRESTfulといわれる。
※3 OAthはオープンプロトコルで、デスクトップ、モバイル、WebアプリケーションなどにセキュアなAPI認可(authorization)の標準的手段を提供する。
※4 ひとつのライン(line)は、確保する広告製品、必要なインプレッション数、そしていつlineを実行するかを指定する。
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