2010年設立のKrux(クラックス)は、マーケターとパブリッシャー双方にクラウドベースのDMPを提供している。今回、東京にオフィスを開設し、日本でアドテクノロジー企業の経営と市場開拓に取り組んできた狩野昌央氏がカントリーマネージャーに就任。DMP事業を本格的に展開する。
東京・六本木ヒルズで行なわれた記者会見で、CEO兼共同創業者トム・チャベス氏は、同社のミッションを「ピープルデータの活用」と説明する。同社のデータマネジメントプラットフォーム(DMP)が扱う20億のデバイスとブラウザ、5ペタバイトにも及ぶデータなどを通して、ビジネスと人を生産的に作用させることを支援する。
チャベス氏は「企業はたくさんのデータをもっているが、それを有効なエンゲージメントに活かし、収益向上に結びつけていない。かつては夢物語だったOne to Oneマーケティングがいま現実のものになろうとしているが、それは簡単なことではない」と語る。Kruxはデータ活用に関する課題を解決するため、DMPにデータを集約し、収集したデータから消費者インサイトを得て、データのマッピングを行ない、マーケティングへ活用し、実施した戦略を評価するところまで含めて支援する。こうした一連の流れによって、ピープルデータのアクティベーション(活性化)を継続的に行うことが可能になると語った。
Kruxは、パブリッシャーやエージェンシーをはじめとして全世界で100社以上で採用されている。とくに、ケロッグ、AARP、Rolling Stoneは、データドリブンマーケティングに欠かせないコントロールセンターとしての役割、迅速な投資回収、ダイナミックなコンテンツ提供などに同社のソリューションを活用している。
日本はオーストラリア、シンガポールに続く、Kruxのアジア・パシフィック地域における今年3番目の拠点となる。日本のカントリーマネージャーには、動画広告のTubeMogulジャパン代表取締役兼CEOを務めた狩野昌央氏が就任。狩野氏はまず、事業拡大、パートナーとの関係強化、日本の顧客のニーズへの対応の3つに注力する。
現在採用活動を本格化しており、プラットフォームの日本語化も最優先で進めている。また、これまで提携してきたサイバー・コミュニケーションズ(cci)との関係をさらに強化し、顧客獲得に務めると語った。
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